2015.09.28

Trmag

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2014.10.27

もしセバスティアンがアポデラードを替えるなら、次はシモン・カザスあたりかなあ、と漠然と考えていた。結局それは闘牛界の超大物(ある意味、因習的なシステムを象徴するような)だったのだけど、マルティネス・エリセが契約している闘牛士は今のところセバスティアン1人で、彼との仕事に集中できるだろうし、チョペラ・ファミリーも4世代目になれば何らかのコンテンポラリーな変化もあるかもしれない。

闘牛界には近代化が必要だ、とはセバスティアンもよく言っていることだけれど、彼が話していたのはもっぱら闘牛場の施設とかネットワークとかの、より幅広い層に闘牛を見てもらうにはどうすべきかといったことだったと記憶している。もっとも、私は屋根付きの闘牛場はあまりしっくりこないけど…

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2014.10.24

【スペイン闘牛】 

闘牛ビジネスはこの半世紀、チョペラ(と分家のチョペリタ)、マティージャ、ロサノという3つのファミリーが牛耳っていて、そして現在はセビージャの興行主カノレアと、新興のシモン・カザスのソシエテが加わっている…というのがおおまかな図式らしいことまでは把握。
彼らは大闘牛場の興行権や牧場を持ち、闘牛士のアポデラードも務めている。

こういった「カーサ」に対して闘牛士達が、分配される報酬の増額を求めた例は以前からあったみたいだ。たとえばマノレテ、コルドベス、ホセ・トマス。そして最近では、エル・フリを中心とする10人のスター闘牛士のユニオンが、彼らの肖像権を自らの手で管理しようとした。
フィグラの中で、ホセ・トマスとセバスティアンは参加を断った。G10の活動は、因習的な闘牛ビジネスからトレロを解放する共闘に見えたけれど、結局一握りのエリート闘牛士の利害にすぎないのではないか、という疑念をジャーナリスト達に抱かせた。

近年闘牛界は欧州の経済危機、チケットの売り上げ減とTV中継の減少…といった難しい経済状況にある。私が「どうも保守的傾向が揺り戻しているようだ」と感じたのはそういう背景もあるのかもしれないけれど、ともかくその中で、G10の試みは事実上頓挫した。
今年、残った5人のフィグラはセビージャでフェリアをボイコットし、カノレアの追い出しを図ったようなのだけど、一部ジャーナリストとアフィシオナードは彼らの選択を厳しく批判した。
「独立主義」のリーダーと見なされるフリを除く4人は、おおむね持ち前のアルテや、活動から距離を置くなどして批判を切り抜けた。とりわけペレラは2度ラス・ベンタスの大門を開けることで。

ペレラのアポデラードもいわゆるアンデパンダンの代理人。「アンデパンダンのトレロにとって交渉がより難しいのは明らかだけれど、自分のキャリアは自分で築きたいから」、とペレラは言う。また一方では、トレロにとってカーサの代理人と組むよりギャラの取り分が多い、という現実的な面もあるみたいだ。
フリとロサノのコラボレーションが闘牛界を驚かせたのは、大物同士の契約というだけでなく、フリが長年一緒に仕事をしたアンデパンダンの代理人と別れて、カーサの後継者と組んだことだった。フリはその信念を捨てたのだろうか?と。

マルティネス・エリセは現状をカーサ側の勝利と見ている。異常な5年間の後で正常な状態に戻ったと言って。
私には何が正常で何が異常なのかは分からない。ただ、フィグラ達は理念とは別に、少しやり方がうまくなかったのかもしれない。いずれにしても経済危機と反闘牛の動きの中で、闘牛界に団結が必要なのは確か。

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2014.10.21

今年の彼岸花撮りの後悔は、シグマさんに留守番をさせたこと。その日は風が強めで日陰でのブレと色乗りに不安があったことと、彼岸花はテカるので白飛びしそうだとか、リスクを考えてメイン機だけで出かけてしまった。

myメイン機の描写はちょっと端正すぎ、軟調でサイズを落とすと解像感が弱い。とはいってもフィルム機を思わせる開放近辺の描写はとても気に入っているので、使い分けは必要なのだった。
普段は道端の小汚いものばかり撮っているから、色のきれいさに定評のあるメイン機が助けてくれるのだけど、美しい花を撮る時はやはり凄みが出てほしいと思う。

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フランスのジャーナリストも、これまでチョペリタス・クラスの大物興行主に突っ込んだ取材をする機会はそれほど多くなかっただろうわけで、マルティネス・エリセの長めのインタビューといくつかの関連記事は、私が闘牛のビジネス面をのぞき見るいい機会だった。個人的なメモとして、読んだことを時間のある時にでも挙げていきたい。

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2014.10.20

【フランス闘牛】 芸術の秋

芸術家とその時代にちなんだ闘牛の、伝統の中にも創意をこらしたお祭りの雰囲気が好き。9月のアルルのフェリア・ドゥ・リでは毎回アーティストやデザイナー、建築家らがゴジェスカをプロデュースしていて、フランスで最もアート・オリエンテッドな闘牛の1つじゃないかな。

今年のゴジェスカは、地元ジャン=バティストの昇級15周年記念ソロ闘牛だった。セノグラフィを担当したのはやはりアルル出身のクリスチャン・ラクロワら。ポスターも彼。

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2014.10.19

【フランス、スペイン闘牛】 新アポデラードが答える(3)

闘牛という伝統的な興行の世界で、私はすべてがモダンな意味での「フェア」だとは必ずしも考えていないし、いずれにしても有力な興行主の権威は大きな意味を持っているようだ。おそらく彼らがマネジメントする闘牛士のキャリアについても。

マルティネス・エリセが闘牛界の今後にどのようなビジョンを持っているのかはよく分からないけれど、ともかく彼はセバスティアンの気性や強い個性を分かった上で、多忙な代理人業に戻ってきたらしい。
そしてセバスティアンの新アポデラードは、もうすぐ昇級15年になろうとするトレロに対し、彼の闘牛に口出しをする気はないらしい。ただ、セバスティアンが安心して仕事に打ち込めるようにしたいという。


Q: あれほど経験豊かなトレロに、アーティスティックな面で何を提供したいですか?

「私はパセオの前に毎回トレロにプレッシャーをかけるような人間ではない。セバスティアン・カステラのような30代のトレロは、自分が牛の前ですべきことは完全に分かっている。私はこのコラボレーションに意欲満々だが、私の貢献は主に精神面になるだろう。彼に自信を持たせ、このルイスマとの難しい別れはさらに成長するためのキャリアの一段階だと分からせるためにね。
我々が食事をした時、セバスティアンはこの2、3年自分が期待されるレベルにないことを認めていた。彼はハードルをとても高くしていたのに、ここ最近のテンポラーダは彼のキャリアのベストではなかった。私は彼が再生する手助けをするために彼の側にいるだろう。彼が自分自身を再発見するように。彼はものすごく勇敢なトレロで、私にとってはそれが一番の美点だ。
私は今後についてはまったく楽観的でいる。でなければこの冒険に身を投じたりはしない。彼はこの頃よりずっと上のレベルに達するためのクオリティを備えていると確信している」

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2014.10.17

【フランス、スペイン闘牛】 新アポデラードが答える(2)

「日曜夜の彼らの別れの後、我々は電話で話して、翌日マドリードで食事をしながら一緒に仕事をしようと決めた。すべてはとんとん拍子に決まった。というのは、私は彼をマネジメントすることに魅了されていたから。彼は偉大なフィグラで、とても個性的な男だ。
セバスティアンはというと、彼はもう何年も前から私を知っているし、私の仕事ぶりを評価している。互いに敬意を分かち合っているし、彼は自分のアポデラードを信頼して仕事をまかせる数少ないトレロの1人だ。
第一に、私は常に彼を評価していた。彼がとっつきにくいとはいってもね。彼は頑固で真面目な人間で、人生でいつでもまっすぐな道を進んでいる。常にはっきりした考えを持っているトレロ。彼はG10、それからG11、そして今はG5…といった他のフィグラの動きに追随するのをいつも拒んできた。このトレロ、アポデラード、興行主間の争いに加わらず、彼はいつでも自分のキャリアを自分の側で動かしたがった」

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2014.10.16

【フランス、スペイン闘牛】 新アポデラードが答える(1)

マヌエル・マルティネス・エリセ。闘牛界の大物中の大物、チョペラ・ファミリーの継承者。曾祖父が興行主の仕事を始め、その息子が一族を業界の頂点に導き、そこから彼の父ホセ・アントニオ・マルティネス・ウランガ(チョペリタ)が分かれた。
セバスティアンの新しいアポデラードのインタビュー(ミディ・リーブル紙)は、フランスのジャーナリストとアフィシオナードに向けた自己紹介から始まっている。
この10年マドリードの闘牛場の興行主の1人であり、同時に多くの闘牛士の代理人も務めた。そして現在はセバスティアンのアポデラードとして、今後に意欲を見せている。


マルティネス・エリセは昨年タラバンテとの契約が終了した後、ほぼ1年間代理人業から遠ざかっていたらしい。それは彼の個人的な理由で、もっと家族やラス・ベンタスの興行の方に時間を割きたかったから。

Q: あなたはなぜその考えを変えたのでしょう。闘牛メディアが言うように、24時間ですべての交渉をまとめたとは考えにくいのですが?

「けれどもそれはまったくの事実だ。セバスティアンとルイス・マヌエル・ロサノのコラボレーションの終わりは、私と彼のどちらにとっても驚きだった。セバスティアンは日曜の夜、セビージャの闘牛の後で、彼のアポデラードから彼らの関係が終ったことを告げられた時、このような不測の事態を想像していなかった。彼はルイスマ(ロサノ)と組んでとても幸せだったし、ルイスマは彼とすごい仕事をした。
そもそも我々の間でコンタクトを取るのに仲介をしたのは、彼のアポデラードだ。彼はカステラをとても愛していたし、恩も感じていたから。それから代理人にとって、セバスティアン・カステラと同じくらい重要なフィグラが自分と闘牛をしようと検討しているなら、見過ごせないチャンスだ」

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2014.10.07

片々たる道端写真

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2014.10.06

【南米闘牛】

ムンドトロにアンドレス・ロカ・レイのノビジャーダ@バレンシアの動画が上がっていた。私はちょっと彼が気になっているのだけど。
↓の映像はベジエのフェリア。カンプサーノの横顔がいろいろと既視感ね…

Andrés Roca Rey marque des points
http://www.feria.tv/video-2975_andres-roca-rey-marque-des-points.html

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【フランス、スペイン闘牛】 Biterroisと'Choperitas' (2)

ロサノがフリと組むことで、セバスティアンとロサノの恊働関係の終わりは必然的だったみたいだ。1人の代理人が2人のスター闘牛士を抱えた前例はあるそうだけれど、「フリとカステラと同じくらい勝利に飢えた2頭のサラブレッドを同じ厩舎に同居させるのは不可能だ」、とミディ・リーブルのジャーナリストは表現した。

もちろん、セバスティアン級のフィグラが「移籍市場」に並ぶとなれば、アポデラード達も無関心でいるはずがなかった。
闘牛界に権力を持つタウロデルタは夏の間、彼らが新たにルケと契約してグループの強化を図ろうとしているのではないか、という噂も流れていた。(タラバンテとの契約は昨年切れたのだっけ?)
Signes du Toroが伝えるところでは、先月30日…ロサノとフリの合意が伝えられた翌日に、セバスティアンとマヌエル・マルティネス・エリセはマドリードでディナーを楽しみながら話し合い、合意に達したという。

フランスの闘牛メディアは、今回のロサノとの別れが最終的によいチャンスになるかもしれないと、ポジティブに見ているようだ。また、ここ数年ロサノはカーサ・チョペラとの交渉に難航していて、今季はセバスティアンがチョペラの仕切るフェリアに出なかったりしたこともあり、‘ロス・チョペリタス’とのコラボレーションが実現すれば、彼により多くの門を開くのではないかとも。


…というのが、ここ数日状況を知りたくてやっとこ拾い読みした話なのだけど、興行の舞台裏の話はさっぱりだし、いろいろと誤認していそうな気がする…
背景の細かいニュアンスも自分にはよく分からない。もしかしてそこには何か興行界の勢力図的なアレもあったりするのかどうかも。

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2014.10.04

マヌエル・マルティネス・エリセとカーサ・チョペラの中の人はいとこ同士ってことでいいのかなこれ。関係がまったく分からん…

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【フランス、スペイン闘牛】 Biterroisと'Choperitas' (1)

私はそれが正式にアナウンスされたことなのかも把握していないのだけど、
ともかくセバスティアンがこの7年間組んでいたアポデラードのロサノが今後はフリをマネージメントすることになり、それからさらに驚いたのは、セバスティアンの新しいアポデラードは(ラス・ベンタスなどの興行を仕切る)ホセ・アントニオ・マルティネス・ウランガの息子マヌエル・マルティネス・エリセが務めるだろう、ということだった。

フリの方も、前のアポデラードであるロベルト・ドミンゲスとはこの11年一緒にやってきたということで、闘牛界は彼らの決別の知らせに騒然とした。とりわけフリが独立主義のリーダーたる信条を変えたらしきことには注目が集まったようだった。
ロサノは世才にたけた代理人として知られ、最近興行主とのトラブルが多かったフリは(たとえばセビージャの)、ロサノの舞台裏の交渉術を評価したと見られる。

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2014.10.02

セバスティアンの新しい代理人のことが話題になっているのね…

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