ネコ温度計をバルセロナに設定しました。さりげなくハロウィン仕様なのです。
さて、先日お知らせしたPSG時代のマッチリポートモドキです。試行錯誤しながらですが、たまにやります。
文中の左、右はPSG側を基準にしています。
参考画像はまとめてコチラのアルバムをご覧下さい。
冷たい雨の降りしきるパルク・デ・プランスに、前季の王者リヨンを迎えた一戦です。主将ポチェッティーノが欠場のため、エインセのCBの相方はエルカルクリ。キャプテンマークを巻いたのは、パリ冬の風物詩・黒タイツ姿がまぶしいロナウジーニョ・ガウ~ショです。
実はこの時チームはリーグ3連敗をくらって10位に低迷中。ロナウジーニョと監督ルイス・フェルナンデスの不和が紙面を賑わし、これがルイスのラストチャンスなんて言われてた時でした。そんなわけでいつにない危機感に包まれたPSG。キックオフの前に選手は円陣を組み、デウー、ロナウジーニョ(真剣)、そしてエインセがチームを鼓舞し、気合を入れます。
さてゴヴ、キャリエールを負傷で欠くアウェイリヨンは慎重な立ち上がり。平素のちびれるような攻撃力は感じられません。キックオフから積極的なパリは、引き気味のリヨンに対し、ジェローム・ルロワらが何度かチャンスを作ろうとするものの、GKクペ(ロビン・ヒッチコック似)とリヨンディフェンス陣の前になかなか決定機には至らず。前半10分、エインセが流れの中で左サイドを上がり、パスを受けてさあクロスだ!! という場面ですが、案の定ボールはパリの夜空の彼方に消えてゆきます。
攻撃的・守備的の違いはあれ、流れの中からチャンスを作れない両チーム。こんな局面を打開するのはアレだセットプレーじゃないですかということで、試合は必然的にロナウジーニョVSジュニーニョ・ペルナンブカーノ、両ブラジル代表によるプレイスキック勝負の様相を呈してまいります。
20分、抜いていこうとするドラソーをデウーが倒して、右寄りのいい位置でリヨンのフリーキック。ジュニーニョが直接狙いますが、これはレティジの正面。
そして30分、ペナルティエリアに向かってドリブルで突き進むソニー・アンデルソンを、エルカルクリ、エインセの時間差タックル挟み撃ちで粉砕…してはもちろんマズイわけで、カード片手にブイブイいわすことで有名な主審ブレさんの笛がゆるぎなく響きます。あいや待たれい!と片手を上げブレ主審に詰め寄るエインセですが、イエローカードを出されたのはその前、エルカルクリの方でした。嗚呼。(画像d~i)
ペナルティエリア正面やや右寄りの位置でまたしてもジュニーニョです。壁に厳しく注意を飛ばすエインセ。いっぱしのディフェンスリーダーであります。しかしこのフリーキックはバーの上に外れます。それにしてもガウショの壁は落ち着きがありません。
一方、この日はリヨン守備陣にばっちりマークされ、好きにやらせてもらえないロナウジーニョは、このムカつく胸の思いをセットプレーに託します。25分のコーナーはニアのエルカルクリの頭にピッタリ合いますが、シュートはサイドネット。
そして37分、ブレシェのフィオレズに対するファウルでPSGがフリーキックを得ます。壁の中ではエインセがとぼけながらもミュラーと駆け引きを続けますが、GKと壁の間をピンポイントで狙ったロナウジーニョのいやらしいキックに、エインセがミュラーのマークを外して飛び込み、左足の先で合わせる。あんましカッコよくないけど、ランス戦に続く魂の先制ゴールです。
動画 http://www.psg.fr/fr/matches/video/new/video.dml?id_match=505
ガッツポーズで吼えるエインセ。熱い、熱いぜ!スタンド大揺れ。パルクに「凱旋」が響き渡ります。(画像j~p)
ピッチではエジミウソンが線審に拍手したりしてますが、もちろんオフサイドなんかありません。
さらにハーフタイムを挟んで後半52分、ロナウジーニョがエジミウソンに倒されて取ったフリーキックを自ら蹴ります。カルデッティの頭には合わなかったものの、ゴール前でバウンドしたボールをクペがはじいたところに、つめたエルカルクリが余裕で押し込み2点目。主に味方のペナルティエリア内で危険な香りを放つ彼ですが、相手ペナルティエリア内でもなかなかデンジャラスな男。
後半に入って攻撃に転じていたリヨンは、PSGにさらに1点を追加され、本気の攻めでパリゴールに迫ります。55分、エインセがペナルティエリアぎりぎり手前ど真ん中という、ちょっと近いけど大変やばい位置でディアラを倒してしまいます。ダメもとで一応主審に意見してみる姿勢は忘れません。タックルに行った際にディアラの膝がしたたか頭に入り、じんじんする額を押さえながらしぶしぶ壁に入るエインセ。コンセントレイトするジュニーニョからむらむらと立ち上る湯気がただならぬオーラのようです。決死の人間の壁にみなぎる緊張感。そしてジュニーニョの殺気をはらんだ弾丸フリーキックは、至近距離でもろにエインセのでこにヒット。
ボゴッという鈍い衝撃音と共に、たまらずピッチに崩れ落ちるエインセに、解説吉田治良氏も思わず「ウオァー…」と絶句(画像q~t)。録画と分かってても、一瞬「死んだ…」と思いました。リプレイで見ると、確かに止めようとする意志が見えるあたりが偉いところです。
さて試合は結局何事もなく続行、リヨンはなおも攻め込み、63分、ベレルのシュートはレティジが触ってサイドネットに逃れます。このような状況ですが、パリのディフェンスは安定しています。エインセもリヨンのボールをカットし、クリアし、せわしなくパンツを引っ張り上げる回数も増えてきます。70分には左サイドからリヨンの絶好のクロスがゴール前に通りますが、フリーのベレルがシュートを外してしまう。この辺りからリヨンは徐々に集中を切らし、ひょっとして今日はリヨンの日ではないのでは、という空気がじわじわと確実に広がっていきます。
90分、交代で下がるロナウジーニョが、「お前がキャプテンだよ」とでもいうように、手にしたキャプテンマークをエインセに着けさせようと歩み寄る場面は印象的でした(画像u、v)。エインセはそれを押さえ、結局受け取ったキャプテンマークを決まりどおりクリストバルに渡します。
余談になりますが、エインセがキャプテンマークを巻いた試合は、今思い出せるところでは03-04シーズン序盤のリール戦。70分に下がったキャプテン・デウーから引き継いだものでした(画像y)。この時エインセはチームの副主将を要請されていて、チームメイトからも「カリスマという点ではエインセだ」と支持されていましたが、本人は、「副主将の器じゃないし、前に出るのは好きじゃないので経験豊かな選手がやった方がいい」と、後日これを断っています。まあ、当時の監督ハリロジッチと不仲だったということもあるのでしょうが。
そんなわけで、このリヨン戦でもキャプテンマークこそ付けませんでしたが、最初から最後まで集中を切らさないようチームに檄を飛ばし続けたエインセのキャプテンシーに目をひかれた一戦でした。
PSG 2-0 リヨン (02年12月3日、パルク・デ・プランス)
得点: エインセ(39分)、エルカルクリ(54分)-PSG
警告: エルカルクリ(31分)、ロナウジーニョ(76分)、ポティヨン(80分)-PSG
エジミウソン(23分)、ブレシェ(48分)-リヨン
PSG: レティジ-クリストバル、エルカルクリ、エインセ、ポティヨン-ニャルコ、ロナウジーニョ(90分ベナシュール)、デウー(86分レアル)、Jルロワ-フィオレズ、カルデッティ(70分Lルロワ)
監督 ルイス・フェルナンデス
リヨン: クペ-ミュラー(77分デルモット)、エジミウソン、カサーパ、ブレシェ-ジュニーニョ、ビオロー(65分リュインデュラ)、ドラソー、ディアラ、ベレル-アンデルソン
監督 ル・グエン
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