2008.05.11
2008.05.02
連休中につきナナメ読み落ち穂拾い
・ドゥヴィリエは引退しましたがシーズンはまさに大詰め。画像のマルコネ、ロンセロ、スザルゼウスキは決闘に臨む3人のガンマンのようではないですか。(しかしハワード・ホークスはその映画で「ヒーロー」を描きはしなかったのだけどネ)
top14の上位は現在クレルモンが首位を奪取し(76ポイント)、以下トゥールーズ(66)、スタッド・フランセ(61)、ペルピニャン(57)と続きます。
・一方フットのリーグアンでは今週末、こっちは順位表の底辺の方ですけど、トゥールーズとパリの残留を懸けた一戦(16位と18位、勝ち点は共に38)がございます。PSGは例の横断幕事件のため来季のリーグカップに出られないことになったようですが、リーグの勝ち点を剥奪されなかっただけマシと思って頑張ってもらいたい。
・そんなPSGですが先日パウ様のとこで女の子が生まれた模様です。そういえばドミニシも最近女の子のパパになったらしい。いつの間に。
・シャバルの話題です。最近、24日にベルギーで行われるバーバリアンズ・ブリタニークの試合に出場する予定があるとのニュースも見かけたシャバルさんですが、先日仏代表監督のリエヴルモンがアンデパンダン紙のインタビューで、6月にオーストラリアで行われるテストマッチ・ツアーに彼を招集する可能性があるとほのめかした模様。このニュースを聞いたシャバル本人がRMCの放送でコメントしてます。
「もうすでに、シックスネイションズでプレーできなくてがっくりきていたんだ。リエヴルモンと代表スタッフ全員がレ・ブルーの未来をどう考えているかを見るに、もしトゥールネに復帰しなければ俺にとってはこの先難しいだろうと思った。俺は次の2011年のワールドカップを最優先に決めたし、それが主たる目標だ。だからもちろん、オーストラリアでのトゥールネのためにできるだけ早く代表に戻れれば嬉しい。俺がやりたいのは№8だ。まあでも実際、ワールドカップでは実に楽しく2列をやったわけでね。初めのうちはイマイチかなと思ったさ。だがこのポジションは結構自分に合ってるってことにも気がついた」
・トゥールーズに帰ったミシャラク、最終的に膝の怪我は手術の必要はないという診断結果が出たようです。ヨカッタネ。
2008.04.25
We live on blood!
The Fall - "Theme from Sparta F.C."
http://jp.youtube.com/watch?v=EJBlN8b-r60
しかしまあ、あのパリの聖火リレーでのデモを見るにつけても、PSGのスタジアムのゴール裏がああいうことになっている伝統的土壌みたいなものは分かる気がしまス。スタジアムはウルトラにとってはプロテストの場でもあるわけなんだね。
1年半ほど前、PSGのサポーターがスタジアムの周辺で警官に撃たれて死傷する事件が起きた時、PSGのアンデパンダン(※)の1人が「俺達が逮捕されることより、パルク・デ・プランスがブルジョワ化する方が問題だ」という発言をした、なんて話を思い出します。(横尾愛さんの記事だったと思う)
※ 特定のグループに属さない独立系のサポーター
実際のところ、高額なチケットや入場規制でフーリガンをスタジアムから閉め出したところで 、フーリガニズムを生む背景そのものがなくなるわけではありません。イングランドのフット・スタジアムは近年かつての「悲劇」のイメージを払拭するのに一定の成功を収めているけれど、それは国内の景気の回復もある程度関係しているんじゃないかな。
スタジアムでのバイオレンスやレイシズム、度の過ぎた政治的主張が許されるべきではないのは当然。だけれど、それでもイングランドのフット・スタジアムには「何か」が欠けているような気がする時もあります。
イギリスは英国病とまで言われた大不況を脱しはしましたが、たとえば最近の音楽シーンから、あの灰色の時代にあったパワーを感じることは少なくなりました。
そんな話はともかく、上の動画はマンチェスターの重鎮(というか)バンド、ザ・フォールの“Theme From Sparta FC”です。
なにげに音楽シーンに多大な影響を与えたバンドで、悪意的に単調なリフにマーク・E・スミスの吐き捨てるような毒舌ボーカル、という変わらぬスタイルではや30年。最近はスクィリル・キラー(※)として物議をかもしたりしているマーク・Eですが、まったく軸がぶれてません。
※ 庭の垣根を荒らしたリスを駆除して、英国動物愛護協会が怒っているらしい。オッサン…
この曲はBBCiのフット番組“Score”のテーマソングにも使われているそうで、「イングランドのチェルシー・ファン、これがおまえらのラストゲームだ。俺たちゃガラタサライじゃない、スパルタFCさ!」…っていうね、情緒の介入の余地もないフット・ソング(だと思う)です。その“Score”に、マンチェスター・シティ・ファンでもあるマーク・Eが出演してフットの試合結果を読み上げた時の映像がコレ。
http://jp.youtube.com/watch?v=EBUiPs1PxKo
既にボイス・パフォーマンスね。
2008.04.14
走者たちはいかに考えたか
聖火リレー、パリでは途中切り上げ、式典も中止
http://www.afpbb.com/article/politics/2375214/2807426
【図解】パリ、北京五輪聖火リレー中断
http://www.afpbb.com/article/politics/2375484/2809866
思い起こせば私が初めて「どうやらフランスはステレオタイプないわゆる“おフランス”ではないらしい」ということに気づいたのは、南部の壮絶な農民デモの映像を目にした時でした。フランスはなんというかデモ型直接民主主義とでもいうべき伝統のある国ですが、チベット問題に揺れる北京オリンピックのパリでの聖火リレーは、やはり人権保護を訴えるデモによって混乱のうちに終了しました。
7日のお昼にエッフェル塔をスタートした聖火は、最後はバスに乗せられ夕方に最終地点のスタッド・シャルレティに到着しました。80人の聖火ランナーの1人に選ばれていたPSGのペドロ・パウレタは、このスタジアムでの閉会の式典でトーチを運ぶ映像が見られました。彼は当初あえて一スポーツ選手として、ただスポーツのイメージのために聖火を運ぼうとしていた模様です。
「パリ市から聖火リレーの走者に選ばれたことは大変な名誉だ。もちろん僕達は皆人権には敏感だし、僕もそれを守る。それでも僕はこのリレーを政治的なことにはしたくない。チベットが難しい状況にあるのは本当だ。でも僕がすることは五輪の聖火を運ぶことであって、それはスポーツなんだ」
しかしもちろん、そもそもオリンピックの存在自体が高度に政治的ではないか、というのも本当。レニ・リーフェンシュタールが1936年のベルリン・オリンピックを記録した映画(しかし皮肉にも素晴しい…)を見るまでもなく、ワタシタチはスポーツと政治がどのようにかかわってきたのかを知っています。今ではスポーツはとてつもなく複雑なものになってしまいました。
聖火ランナーを務めたスポーツ選手の思いも様々です。このリレーを取りしきった中国側組織委員会のスタッフに対して批判的な発言をする人もいれば、デモ参加者の行き過ぎた抗議行動を嘆く人もいます。走者の中で最も人権派寄りのスタンスを取っている1人である柔道家(向こうでもjudokaっていうのね)ダビド・ドゥイエは前者です。一方ハードル選手のステファン・ディアガナは、デモ参加者の心情に一定の理解を示しながらも、オリンピックのポジティブな価値を象徴する聖火が一部から襲撃されたことに遺憾の意を示しています。
式典に出席したベルナール・ラポルトはスポーツ閣外相として、「聖火を攻撃する者は平和を攻撃している。私は平和的なやり方でトロカデロ広場にチベットの旗を掲げたデモ隊の方を好ましく思う」と語りました。
クリストフ・ドミニシは結局聖火のトーチを持って走ることはできませんでした。五輪のメンバーでない彼はあえて、発言を控えるかもしれない他の出場選手の立場に立ち、率直に語りました。ドミニシはデモ参加者のリレー妨害について、スポーツ選手が政治的な主張のために利用されるのを残念に思っています。
─がっかりだよ。(リレーを妨害した)人々がインテリジェントでないのか、それとも彼らにはいくつかのことが分かっていないのか。スポーツマンはスポーツマンだ。中国で起きている問題をコントロールすることはできない。僕達は※バッジを作って、僕はそれをつけた。でも他に僕達に何ができる?アスリート達はフランスのカラーを着るために4年間トレーニングしてきた。それからこう言われるんだ。「ええ、でもフランス国旗を持ってスタジアムに入ってはいけない。そこで起きていることはよくないから」。スポーツ選手が利用されるのはよくないことだ。スポーツは美しく崇高で偉大なものなんだよ。政治家は何年も前から中国の問題を知っていて、今さら知ったわけじゃない。スポーツ選手を利用する大勢の人々がいる。僕はそのことを残念に思ってる。
今日、僕は大勢の子供達と一緒にバスの中にいた。そこで子供達は泣いていた。人々は馬鹿だ。というより、何人かがだけどね。全員がじゃない。にしても石や卵を投げるのは重大だと思う。アスリート達を見てごらん、彼らはそこにいる。聖火を手に掲げることもなく、もちろんみんながっかりしている。
※ フランスの五輪代表選手らが人権尊重を訴えるバッジを発表
http://www.afpbb.com/article/sports/sports-others/sports-others-others/2374249/2801575
(Q: あなたは国境なき記者団のような組織に対して怒っている?)スポーツ選手は政治家じゃない。彼らの知名度を利用してはいけない。今では選手は彼らのものであるはずのお祭りを禁じられている。でもこれは中国のお祭りじゃなくて、スポーツ選手のお祭りだ。(Q: お怒りのようですが…)僕はオリンピックには出ないから言うんだ。他の選手達は言わないかもしれない。それは僕が「君はラグビーワールドカップには出られないよ」と言われるようなものだ。僕はトレーニングしていいプレーをし母国を勝たせるよう求められる。それから政治的なプレッシャーだ…。式典のスピーチの中で、僕達は彼らが全スポンサー名を挙げるのに気づいている。僕達については何一つない。フランスのチャンピオンは、多分メダルを獲得すれば4万ユーロを得ることになる。それは求められた犠牲に比べればお話にならない報酬だ。スポーツ選手はちっぽけな歯車の1つにすぎない。
僕にはこの聖火をかかげるチャンスさえなかった。残念だよ。素晴しいお祭りになるはずだった。それに残念なことだけれど、今日起きたことでは何も変わりはしないだろうし、彼らもそれを分かっているだろう。─
ロズリーヌ・バシュロとドミニシのインタビュー動画
http://www.dailymotion.com/video/x5043b_la-flamme-olympique-a-bon-port-bach_news
2008.03.31
リーグカップとったどー
なんかリーグカップ引っさげ颯爽と2部参戦っていうのもカッコイイような気がしてきた
元PSGのガビー・エインセがベルナベウで元ランスのケイタに競り勝って今季初ゴールを決めた前の日、パリのスタッド・ドゥ・フランスではPSGがランスに2-1で勝ち3度目のフランスリーグカップを獲得していました。まあ疑惑のロスタイムPKというかなりどさくさな内容だったらしいんですけども…
この試合をめぐってはあのブローニュのウルトラがまたやらかしたらしい、つまり差別的な横断幕(訳しませんけどPedophiles, chomeurs, consanguins : bienvenue chez les Ch’tisと書きよった)をスタンドに掲げたという後味の悪い出来事もあって、ランス監督のパパンが怒りをあらわに批判したりしました。結構揉めそうです。まあ問題外に酷い横断幕ではあるけれど、パパンも元OMならマルセイエがPSGにどういった野次を飛ばしているか知らないわけではなかろうに…
「僕達はリーグで難しい状況にある。このカップが僕達に多くをもたらしてくれるかもしれない」。スタッド・ドゥ・フランスにアゾレスの鷲が舞う。なんであれ選手は頑張った。パウ様おめ。
ちなみにPSGは、
17位 ランス
───────降格圏ライン
18位 トゥールーズ
19位 PSG ←今ここ
20位 メス
ガビーもおめ
2008.03.19
「お祭り」を前に
新生ウェールズで1つだけ残念な点を挙げるとするなら、アダム&ダンカン・ジョーンズがお揃いでなくなっちゃったことでしょうか。あとヘンソンの髪型はものすごく微妙だと思う。
さてワールドカップからハイネケンカップ、シックスネイションズと息つく暇もなかったけれど、私もここらで一区切りできるかな。今日はつい更新のタイミングを逃していたスクレラのトゥールーズ行きの話などを。これは正確には移籍でなくスタッド・フランセとの契約の満了で、来季から3年間スタッド・トゥールーザンで父ジャン=クロードと同じカラーを着ることを本人が公式に認めたそうです。
トゥールーズがスクレラにアプローチしているというニュースが最初に出たのは昨年のオフシーズンのことですが、彼はそれ以降トゥールーズ幹部の熱心な誘いに心動かされたようです。決断の理由はまずトゥールーズが高い目標を掲げる名門クラブであるというスポーツ上の選択。そして彼と奥さんの家族が故郷のトゥールーズにいるというプライベートな事情のためだとのことです。金銭面の選択についても彼は包み隠さず語ったようですが、そこはプロスポーツだから…。「キャリアの終わりには生まれ故郷に帰るつもりだったし、今がその時だと思った」(スクレラ談)
プロスポーツにはつきものとはいえ、こういった別れはいつでもファンには寂しいものです。トゥールーズはスタッド・フランセの最大のライバルクラブでもありますが、フランスのスポーツをしばしば複雑にするのが首都と南部の対立です。もちろんラグビーの世界でPSGとマルセイユのようなことは起きないだろうけれど、難しい選択であることにかわりはないんじゃないかな。さらにことを複雑にしているのは、シャークスでプレーしているミシャラクが、南半球での冒険の後でトゥールーズに戻りたがっていることなんですが…
そのスタッド・フランセとトゥールーズのラグビーのお祭りが土曜にスタッド・ドゥ・フランスで開催されます。とはいえ両チームとも代表選手の多くを休ませることになりそう。恒例のマックス・グアジニ・プロデュースのアトラクションは、ラファエル(画像)のミニコンサートなどが予定されてます。
そういえば今月の初めに、フットボールのリールOSCとオランピック・リヨネーのリーグ戦が初めてスタッド・ドゥ・フランスで開催され、77850人のリーグアン動員記録を作ったそうですが、やはりポンポンガールのショーやコンサートといった演出で盛り上げたこの試合について、リールの会長は「マックス・グアジニのラグビーの冒険にインスパイアされた」と語ってました。
リールはインターナショナルなスター選手が顔をそろえるビッグクラブではないのですが、近年は欧州でも結果を残すなど実力のあるクラブ。ホームスタジアムの老朽化のためあちこちのスタジアムを借りて試合を行っていますが、05年のCLベンフィカ・リスボン戦ではやはりスタッド・ドゥ・フランスで国内の欧州カップ動員記録を打ち立てているそうです(76184人)。
それで思い出したんだけど、昨季CLのリール対マンチェスターUの中継で、プレミアリーグのファンであるらしい解説者が、(気の効いたジャーナリストならフランス北部のフット事情みたいな話になるだろうところを)、「(スタジアムいっぱいの観客は)マンチェスターのファンが大勢いるんじゃないですか?」なんて嘲笑まじりにしゃべっていて呆れ果てたことがある。もうね。
2008.03.15
フィエスタ!
The Pogues - Fiesta
http://jp.youtube.com/watch?v=Vu_B5BCDJxs
ロンドンのアイルランド系酔っ払いバンド、ザ・ポーグスのご機嫌なナンバー、“Fiesta”(88年)。このブログに引っ越す前の日記に、もう10シーズン近く前の話になるけどリーガ・エスパニョーラのマジョルカ対バルセロナ(だったかな)でスタンドの楽団がこの曲を演奏してた、という話を書いたことがあります。ビッグクラブ相手に押せ押せのマジョルカ、島のスタジアムの情熱的なサポーターの応援を、楽団がこの曲でにぎやかに景気づけてるところを想像してミテ。
当時マジョルカの監督で※元英語のセンセーの、メガネで小柄なフェルナンド・バスケスが、チームのゴールのたびに狂喜して走り回りガッツポーズを決める姿はとりあえずとってもパンクだったんだけど、そういえば“Fiesta”の歌詞には“I am Francesco Vasquez Garcia, I am welcome to Almeria”という部分もある(フェルナンド・バスケスはVazquezだけどネ)。考えてみればフェルナンド・バスケスはケルト由来とされるガリシア地方のラコルーニャ出身だそうだから、その点でいうとアイルランドとまんざら無関係ってわけでもない…のかな?
(※ 今まで数学教師だと思い込んでいたら、wikiには profesor de ingles とあった。どっちが正しい?)
この曲はポーグスがアレックス・コックスのバカ映画(でも好き)“Straight To Hell”に出演するため、アンダルシア地方のアルメリア(マカロニウェスタンの有名ロケ地)に滞在した経験にインスパイアされたらしき曲です。途中に出てくる「キング・オブ・アメリカ(El rey del America)」は、もちろんエルヴィス・コステロとケイト・オリオーダン元夫妻への当てこすりね。
それにしてもラグビーフランス代表戦のスタジアムで楽団の演奏を聞くたび、フランスラグビーってやっぱり南西部の文化なんだなと思ったりします。スタジアムは人生、共に祭りを楽しもう…
2008.02.04
エレガンスのレッスン
David Ginola BEST OF compilation
http://jp.youtube.com/watch?v=2bp6pdOvJJY
シックスネイションズの話はまた後日まとめて更新しようと思うけど、なかなかオフェンシブで魅力的なフランスを見たので、今日はやはり魅力的なフランスのフットボーラーのことでも書こうと思います。
私がこれまで目にした中で、あらゆる意味で最も「美しい」フットボーラーの1人がダヴィド・ジノラでした。PSGの黄金時代の選手で、ジェローム・ロテンはパルクの観客席で彼に憧れて憧れてフットボーラーになった。フランスではいろいろあってイングランドに行って、ニューカッスルやスパーズなどでプレーしてプレミアの観客を魅了した。カッコよかったな…
上のはそのジノラの、フランスとイングランドでのゴールや冴え渡るドリブル、アシストのベストプレーを集めた動画ですね。ジノラは今でもPSGに帰って、GMとして低迷の続く元のクラブを助けたいと言っているけれど、93年のフランスのワールドカップ予選敗退のスケープゴートにされた彼にはなかなかそれは難しい。
2007.09.01
夏の清算
とにもかくにもワタシの9月は、この夏の猛暑の中うっかり放置しているうちにスルメのように丸まった600余枚のチェコ切手の整理から始まったのだ。保存缶を開けた瞬間、ふえるわかめちゃんのごとき惨状に思わずワラタ。切手というものは素手で触るなどという無礼は決して許されず、丁重にピンセットでお取り扱いあそばさなければならない。もう慣れたとはいえ疲れる。
実際あっけないほどの速度で夏が駆け抜けてしまい、あとにはヨレヨレのワタシが残されたのである。思えばこの夏も散々だった。冷房は苦手のため扇風機をかけっぱなしにしておいたら、もともとドライアイ気味の目がやられてしまった。ここ数日涼しいのはいいのだけれど、久々の前線停滞で体調も気分もイマイチ、ピンセットを放り投げて「あーもうすべてを清算してしまいたい!」という唐突な衝動にかられるのもこんな時である。
事実このところ「もうフットのコンテンツは潮時なのでは」と思っているのだ。時間的にも体力的にも全部のコンテンツを維持するのはちょっと無理、というのもあるけれど、なによりフットに関しては、長年イロイロと好もしくないところばかり見すぎてしまったのではないかという気もいたします。例年のごとく夏の移籍シーズンは、「フットってやっぱりやくざな業界なのネ」、ということをしみじみと再認識させてくれる数ヶ月であった。誰だってディズニーランドのミッキーマウスには中の人がいることを知っているのだ。「騙されてあげるからうまく騙してくれなきゃイヤン」、と、私のフットに対するスタンスはそういうものである。
それでも先日、今季初めてリーグアンのPSGとルマンの試合を観て、結局のところなんだかこう胸がアツくなってしまったのだった。いつかコイツがキャプテンマークを巻くことになるのかなあと思っていたアルマンが残留して主将をやっている。ゴールも決めた。ロテンはボールを持てばやはり格の違いを感じさせる選手だ。ランドローの片手キャッチングには思わず「おおー!」と嘆声が出る。残留宣言をしたパウレタはベンチだけど、PSGがゴールチャンスを逃すたびにカメラに抜かれるので不在感ゼロ、というか一番よく映ってたかもしれない。ダメ出しか拍手か、パウ様のリアクションがすなわち批評であり、最後の審判における大天使ミカエル様の魂の秤なのである。そしてサポーターの「アーレ、パリー!」。いいねえ。
試合はまがりなりにも2-0でPSGが勝った。果たして次の中継があるのかいつになるのかは知らないが、8月の最後に幸せな気分だった。松井君の代表のジャージ姿がまた見られるであろうことは嬉しい。私はフットに一定の「特別なクラブ」なんかないと思っている。どんなクラブであれ、小さかろうがヘタレてようが、ファンにとってはそこが特別なクラブだからだ。
8月の終わりに、そろそろ秋らしい雲が出てきたなと思って写真に撮ろうとした瞬間に、落ちかけた夕陽が雲に反射して空一面が炎上した。あれが夏の最後の残照だったと思う。
2007.07.11
丸いボールと楕円のボール 老将の場合
先週マルクシで集中フィジカルトレーニングを行っていたフランス代表は、今週から2週間ヴァルディゼール(その後フォン・ロムー)で高地合宿中です。最近の研究だと「高地トレーニングで目に見える効果を出すには標高3,000メートルで3週間」という説もあるそうなので、1,800メートルで2週間やって何かはかばかしい成果があるのかという話なんですが、まあ気分の問題としてね。それと何より(おそらく)マスコミを遠ざけるという…
開催中のツール・ド・フランスもラグビーワールドカップのプロモーションに一役買うなど、一致協力して盛り上げていきましょう的ムードの中で、今回のワールドカップにブーブー言ってるスポーツ関係者もいることはいる。たとえばあのギ・ルーです。
ギ・ルーという方は45年近くの長きにわたってオセールの監督を務め、多くの若手を育て上げたフランスの名(物)フットボール監督で、御年68歳。2、3年前にいったん引退していましたが、このほどRCランスの監督に返り咲くことになり、それがリーグの監督の年齢制限に引っかかるのなんのと揉めて「ギ・ルー事件」なんて騒がれました。
いちフットボールの問題というよりは、フランスにおけるシニアの労働のシンボル的な取り上げ方をされたらしいこの件の結論が先送りにされたきりどうなったのかは知りませんが、とにかくそのギ・ルーが、今回のワールドカップで使用される予定のランスのホームスタジアム、フェリックス・ボラールの芝の状態の悪化を大いに気にしています。
「ランスでラグビーワールドカップが行われるのは残念だ」とギ・ルー。フットのスタジアムでラグビーをやるよりこの際新しいスタジアムを造ればよかったじゃないか、と文句をおっしゃってますが、このじいちゃんは歯に衣着せぬ発言でも有名なんですナ。まあピッチがどうこうというよりも、要はシンプルに、たぶんラグビーがお好きでない…
2007.05.07
サルコジかよ(本文関係なし)
反サルコジ派の抗議デモが相次ぎ暴徒化 - フランス
http://www.afpbb.com/article/1573893
イングランドあたりからヨーロッパカップを見に来るサッカーファンに一言忠告するとすれば、フランスのスタジアムで不穏な行動なんか見せようものなら、フツーに機動隊に警棒でボコボコにされて催涙弾をぶちこまれて即撤去ですよ、ということでしょう。選手が催涙ガスで泣きながら試合続行、という場面も今さら特に驚くような事態でもありません。警官だって命がけなんですから。
(ちなみにフランスリーグに優秀なGKが多い理由は、試合中に背後から飛んでくるペットボトル、ブロック片、コイン、爆竹等々に集中を切らさないタフなメンタルが求められるからではないかと常々思っている)
スタッド・フランセのリーグ戦今季ホームでの最後の試合となるペルピニャン戦(13日)は、パルク・デ・プランスの使用をお願いしたところ、1部残留争いでそれどころではないPSGにアッサリ断られてしまったため、スタッド・ドゥ・フランスで開催されます。今回のアトラクションはこちらのオッパイ、あ、いや、アメリカのトップレスラーによるプロレスやジプシー・キングスのミニコンサートが催されるそうです。画像は女子プロレスラーのエイプリル・ハンター嬢。
そのスタッド・フランセですが、先日ドミニシが手を手術してまたしばらく試合に出られません。スザルゼヴスキの復帰は本人によれば「遅くとも6月半ば」。しかし今季中の復帰はちょっと無理そうで、目標はワールドカップに切り替わっている模様。4月半ばの段階ではまだ腕を上げたり回したりが不自由だそうですが、リハビリは順調にいっているらしい。それと2人目のお子さん(女の子)が生まれたそうです。
そういえばイバネスのとこは私が確認した限りでは子供が4人いるんだけど、女の子が父ちゃんそっくりなんだよ…
残り2節でトップ14の順位は、首位スタッド・フランセ(79pts)に何だかんだでいつのまにかトゥールーズ(77)がつけており、以下クレルモン(75)、ビアリッツ(70)。
2006.12.20
フットとラグビーとレイシズム
フランス代表のマイヨを着た仲良しの2人、スザルゼヴスキはポーランド系、ニヤンガはザイールの出身。フランスのスポーツにかかわっていると、常に人種や民族といったものを意識せざるをえないところがあります。関係者もメディアも、特に人種差別の問題には非常に敏感です。
「選手のオリジンは尊重しなければならない」というのは、この4年ほどPSGサイトをやってきて(反省すべき点も多々あるけれども)切実に感じることですね。パリにはいくつもの移民のコミュニティがあって、コミュニティに属する選手達は自分のオリジンにとても誇りを持っているし、コミュニティの社会的評価を上げるためにも頑張るわけです。
ただ私個人は、スポーツを取り巻くレイシズムについて何かを言うのには慎重…というのは、私は現地の事情を見知っているわけではないし、あまりにも問題が大きく複雑でデリケイトだと思うから。
人種差別的傾向を持つPSGの一部ウルトラの問題は、最近では死者も出る事態になっています。実際のところ極右の問題は移民の集中するヨーロッパの都市部にはつきもので、複雑な社会状況がからんでおり一面的な視点で言及するのはとても難しい。人口が多く、民族も階層も多様なパリではそれだけ摩擦も大きいんだろうけど、その軋轢がフットボールのスタジアムにダイレクトに反映されてしまうのは、スタジアムが広範な層に「開かれている」ものだからじゃないかと思います。良くも、悪しくも。
フットは全世界に膨大な数のファンを持つ巨大なスポーツ。だからフットには常にそういった多様性や“混沌”を受け入れる幅が必要になる。でも膨れあがる社会不満のガス抜きの場としては、スタジアムはすでにあまりにも小さい。いちフットボールクラブでどうこうできるレベルの問題じゃないはずなのね。
2年ほど前にPSGの会長グライユは、スタジアムのバイオレンス追放のためチケット販売に身元証明を義務づけようとしたのだけど、サポーターグループの組織的な反対運動にぶつかった。で、この種のトラブルのイメージにナーバスな株主のカナルプリュスは、成績不振もあってグライユをクビにした、という経緯があります。ちなみに、当時この問題にはあまりかかわりたがらなかったLFP会長のティリエは、最近になって、「300~400人のフーリガンを追放すればパルク・デ・プランスは平和になる、私は2年前からそう言っているのです」だって。フン。
いずれにせよ、父親が息子に愛するクラブの試合を見せようとやってくる親子連れのような多くの普通のサポーターが、“差別主義者のPSGサポーター”というマスイメージで十把一絡げにされるような事態にはウンザリしちゃうのだ。だけどひとつ言えるのは、これは必ずしも「PSGの問題」ではないよ、ってこと。これからあちこちで同じようなことが起こると思うよ…
自分がまだ何かしらイワユル「スポーツの精神」に期待をかけているラグビーの世界でも、先週末はいろいろとレイシズムの問題が報道されたのです。
1つはハイネケンカップ。ロンドン・アイリッシュはFBのDelon Armitageに対するアルスターの選手達の人種差別発言について、ERC(European Rugby Cup)に断固提訴する構えである、というニュース。
もう1つはフランスProD2、ポー対トゥーロンで起きた出来事。この試合の終了直前、ポーの2列Jeannard(元ベジエなのか、ディミトリやニヤンガとスクラム組んでた選手なんだな…)とトゥーロンの南アフリカ人選手Van Vlietの間で口論になり、Jeannardがグラウンドを下りてしまった。引きとめようとするチームメイトとコーチ。試合は混乱の中で終了の笛が吹かれた模様。Jeannardによれば、彼はVan Vlietから「耐え難い人種差別的な侮辱を受けた」。喧嘩になるよりはグラウンドを去る方がよかったのだと説明しました。
試合の後、ロッカールームに向かう通路で、Van Vlietはポーの選手達と何人かのトゥーロンのチームメイトに取り囲まれて叱責されたらしい。騒ぎがひとまず収まると、トゥーロンに所属しているタナ・ウマンガがJeannardと話に来て、彼にマイヨの交換を申し出た。トゥーロンの会長も同様にJeannardに謝罪しに来たそうです。
こういったトラブルがたとえばサポーターの野次などでなく、グラウンド内で起きたことだったのは、当事者がはっきりしているだけに相互理解のしようもあるだろう、という点ではまだよかったかもしれない。かつてPSGに所属したアルバニア人選手が、ラフプレーに怒った相手チームの監督から差別的発言を受けて騒ぎになったことがありました。その選手は「告訴は何の役にも立たない。相手チームの監督とは1対1で話し合いたい」と言ったのですが、それはまあ、見識だと思う。
PSGの会長はその時、「ああいった言葉がパリの監督の口から発せられたものなら、自分はサッカー界からの反応を想像する勇気がない」と言った。フランスのスポーツにとって、レイシズムの問題はとてもとてもデリケイトだ。
2006.12.03
ボールの冒険
権利その他の問題はあれど、あんまりメジャーとはいえない音楽の記事を書くのにYou Tubeはやっぱり便利なんですナ。何より、埋もれさせたくない良い曲もあるわけ…たとえばこの、ビリー・ブラッグの“Sexuality”です。
http://www.youtube.com/watch?v=iqH_xqh0eVw
ロンドンのワーキング・クラス的アイデンティティに基づく真摯な社会派メッセージを弾き語りの歌に乗せ、かつては「ワン・マン・クラッシュ」とも呼ばれたシンガー・ソングライター。91年のこの曲は元ザ・スミスのジョニー・マーとの共作で、彼がギター、キーボード、バックボーカルで参加しプロデュースもやっている。いい感じにジョニー・マーの色の出た曲です。
ビデオクリップの方は映像的にどうこうというタイプのものではないけど、彼の「このメッセージを伝えたい」というハートが伝わる好ましいもの。2000年に事故で亡くなったカースティ・マッコール(バックボーカルで参加した)が出演していて、そういう意味でもいろいろと思い出深い。
イングランドらしくフット関連ネタとしては、この曲には「俺のおじさんは昔レッドスター・ベオグラードでプレーしてた」って一節があって、単純に韻をふんでいるんだろうけど(“played”と“Belgrade”、ハゲシクなまってる)、実話ってことはないよね?
余談ついでに、同じアルバムからのシングル曲“You woke up my neighbourhood”には、例の神出鬼没のREMのマイケル・スタイプとピーター・バックが参加していて、彼らが友情出演してるビデオクリップがコチラ↓これがまたジョージアの田舎から出てきた人キャラで…
http://www.youtube.com/watch?v=hYvdz4lEhKM
さて、“Sexuality”のビデオでビリー・ブラッグ達が遊んでた赤いサッカーボールがその後どこへ転がっていったかというと…10年後のスコットランド、グラスゴーでした(ウソ)。ティーンエイジ・ファンクラブの“I Need Direction”。
http://www.youtube.com/watch?v=lpHZPkdHKTA
犬がかわいいヨ。2ヵ所ほど、チラッとメンバーが出てきます。フットボール好きなTFC、彼らのアルバム“Thirteen”のジャケットには、そのまんまサッカーボール(バレーボールじゃないらしい)の写真が使われたりしているのですが、そのへんのお話はディスクレビューのページに。
そういえばしばらく前に、スカパーのプレミアリーグのフィラーでTFCの“Sparky's Dream”が使われていたけど、なんでプレミアにスコティッシュのTFCだったんだろうね。
2006.09.03
丸いボールと楕円のボール パリ編
侵略者からエッフェル塔を守るため日々戦い続けるフランスファイ、いやスタッドフランセの、今季のマイヨです。何がすごいって着負けしてないミルコがすごい。
こちらがピンク。ありえなスw
さすが、伝統の街並みに巨大な鉄塔を建てるわ、ルーブルの中庭に唐突にガラス張りの△を建造するわのパリに拠点を置くクラブ…というべきか、まあ、アバンギャルド(?)はこの街の使命みたいなものでしょう。
選手の着用姿を見ると、だんだんそれなりにカッコいいような気がしてくるのがマジック。何よりクラブ全体に、(あんまりお金はかけずに)フランスラグビーにヌーベルバーグを起こそうというような勢いを感じます。ピンク上等。まあ、ここの選手達はもともと平気でハゲヅラかぶるし…
ここの会長、Max Guazziniはどういう人なのかと常々思っていましたが、92年にクラブを引き継いで以来、下部リーグの常連だったこのクラブ(就任時3部リーグ)を、フランスラグビーのトップチームの1つに押し上げた人だということは分かった(その頃のヘッドコーチがベルナール・ラポルトだったのね)。このへんはあやふやだけど、04年に突然ラジオ放送局NRJグループの経営を退き、今はスタッド・フランセの会長一本でやっている…ということかな。
昨季のトゥールーズ戦は、グアジニ会長にとっても大きな賭けだったようです。2万5千~3万枚チケットを売ってトントンだろうという見込みが、最終的には7万9502人の観客を集めてスタッド・ドゥ・フランスを満員に。この数字は、フットを含めたフランス国内の全スポーツリーグの入場者数記録を、一気に2万人以上上回るスゴイ記録です。(その後、今年3月のビアリッツ戦で7万9604人を集めて記録更新)
それまでの記録は、98年4月のOM対PSG(ベロドローム)の5万7603人だそうな。その試合の一方の当事者であり、同じパリのクラブのPSG前会長ピエール・ブラヨは、スタッド・フランセの快挙についてたずねられて、
「私はグアジニとスタッドフランセを心から尊敬していますが、彼らの発表は少々おおげさだと思いますよ。我々がチケット代3ユーロだの、5ユーロ、7ユーロでPSG対リヨンを企画していたら、どうなったでしょうね。40万人は入ったかもしれませんよ」
当然グアジニ会長も反論します。
「ムッシュ・ブラヨは偉大なフットクラブの会長だが、ラグビーの事情にはたいしてお詳しくありませんな。これはラグビーの世界の一大事件なんですよ。もし、あるパリのクラブが同じ町のクラブの記録を破りそうだとしたら、私は批判するよりはむしろ、そのクラブにお祝いと激励のメッセージを贈るでしょう。もし誰かがスタジアムに50万の観客を集めることができるなら、私はとても嬉しく思いますよ。それはスポーツにとってよいことでしょうから」
そもそもスタッド・フランセが、トゥールーズ戦でスタッド・ドゥ・フランスを使うことに決めたのは、PSGがピッチコンディションの維持を理由にパルク・デ・プランスを貸してくれなかったからなんだそう。で、最終的にグアジニは賭けに勝ち、ブラヨは暗に「フット人気は下火なのでしょうか」と言いたげなプレスの質問に苦虫をかみ潰すはめになったわけです。やってみるもんだね。
【オマケ: ドラノエ市長の密かな愉しみ】
この夏のパリ・プラージュ(セーヌ河畔ビーチ化イベント)は盛況だったのかどうか、先日はパリ市の高級ワインコレクションを競売に出すなんてニュースもあり、何かと話題の多いベルトラン・ドラノエ市長。
あちこちのスタジアムやスポーツイベントの会場で姿が見かけられますが、大のスポーツ好きで、市長に就任する前にはPSGの重役会のメンバーだったこともある。市長は、スポーツはパリの価値を広く知らしめるもので、スタッド・フランセ、パリ・バスケット・ラシン、パリ・ヴォレ、そしてPSGといったクラブのイメージは、パリの精神を象徴しているのだと考えています。
試合観戦の後はチームのマフラーを肩にかけ、ロッカールームを訪ねます。選手達と過ごすひとときはいつでも幸せ、だそうな。そこには当然スタジアム造ってちょうだい、トレーニングセンター造ってちょうだいというようなお仕事上の話もあるけれど、美しき男の園ロッカールームは、多忙な市長の心のオアシスのようです。
2006.08.03
丸いボールと楕円のボール
昨季は2度のビッグマッチでスタッド・ドゥ・フランスを大入り満員にしたスタッドフランセが、今季も10月のビアリッツ戦、来年1月のトゥールーズ戦を同スタジアムで行うかもしれない、との発表がありました。そしてクラブは12月のハイネケンカップ、セール・シャークス(シャーキーのいるとこ?)戦を、PSGのホームスタジアムであるパルク・デ・プランスで行うことを検討していて、既にパルクとPSG側の同意も得ているとのこと。
スタッドフランセの昨季のトゥールーズ戦とビアリッツ戦は、ラグビーはフット人気を超えた?みたいなニュースにもなって何かと比較されるけれど、結局ビッグマッチ以外の通常の試合で、コンスタントにどれだけ集客できるかが問題じゃなかろうかという気もします。PSGとOMのこの前のフランスカップ決勝では、やはりスタッド・ドゥ・フランスに7万9000人を集めたし。
今年は自国開催のラグビーW杯より一足はやくフットのW杯が開催されて、ボールの形は違えど、ラポルト監督もドムネクの采配について意見を求められたり、「フット仏代表がドイツで優勝したらプレッシャーでしょうか?」なんて聞かれたりしていました。(それとこれとはまったく話が別だよ君、だそうな)
そのドイツ・ワールドカップの、フランス対スイスの試合の当日、ラグビーフランス代表はちょうどマルクシでテストマッチに向けた準備中。夜のトレーニングは18時半からの予定だけど、みんな18時キックオフのこの試合は観たい。最終的に、表向きは(?)猛暑のため、トレーニングの開始は1時間半延ばされました。
「はじめ、選手達は前半だけ観る予定でしたが、この暑さを考えてトレーニングを20時にずらすことにしました。そんなわけで我々は全員一緒にこの試合を見ることができるでしょう。夕食は21時過ぎになってしまいますがね」と、マネージャーのジオ・マゾ。
カッコヨスのカステニエードも、「僕達はテレビの前で応援するよ、できるだけ勝ち進んでほしい」とフット代表の1サポーターとなって、
「98年のワールドカップの時、僕はスタッド・ドゥ・フランスで決勝を観る幸運に恵まれてね。もう、全身の毛が逆立ったよ。僕達はあんなエモーションを味わいたい。フットのワールドカップは毎回、ラグビーのワールドカップのちょっと前にやってきて、僕達の欲望をそそるんだ。フランス人なら、国のチームを応援することが大事。プレーするチームが僕達の選んだチームじゃなくてもね」
最後の一言は、同じロンドンでプレーしていた友達ロベール・ピレスが選ばれなかったことに対してちょっぴりチクリ、という感じかな。
話は変わりますが、ジョジオンは「ラグビーはフットのようにはならないと思う」と言っていたけれど、ラグビーのプロ化が進み人気が高まるにつれて、やはり同じような問題を抱えていくことになるのかもしれません。シックスネイションズのアイルランド戦(2月11日)で、交代で下がる時にしたたかスタッド・ドゥ・フランスの観客のブーイングを浴びたミシャラクは、その1週間後にPSGのホームゲームを観て、改めて思うところもあったみたいです。
「土曜にPSGとルマンの試合で、ロテンも同じようにブーイングされているのを見たよ。毎週末、スタッド・トゥールーザンの試合で、僕達はフランス中のスタジアムで×××野郎呼ばわりされる。うんざりだよ。僕の知人や身内にとってはなおさらね。彼らは僕がつらい思いをしていると思って悲しんでる。困ったことだと思うのは、スタジアムで、父親が横にいる子供と一緒になってブーイングしていることなんだ。それは後々、今度はその子供が野次を飛ばすようになるってことだから」
うん本当に。PSGの選手達もいつもサポーターに、僕達の近くにいてほしいと言っている。というか、来年は味方の観客から野次など飛ばされないよう、よろしく頼みますよ、お願い。
2006.07.26
パリのクラブところどころ&ジョジオンのインタビュー(2)
このところのパリは猛暑のようで、ル・パリジャンの1面も「パリは日陰でも36℃!」みたいな感じ。これは、スタッドフランセの皆さんもさぞあられもなくトレーニングやってるはず!とイソイソとチェックに向かうのでしたが、公式がスザルゼヴスキを撮ってくれない。
画像の中央はベルガマスコ兄かな、今週から各国代表組もトレーニングに合流しました。皆さんオツカレサマ。レミー・マルタンはなんか髪型に妙な野望を抱いてるみたいね。
一方、PSGはパリを逃れて24日からエクスレバンでキャンプ中。水遊びのところばっかり採り上げてるけど、ちゃんとトレーニングもやってる…はず。
さて、ジョジオンのインタビュー記事の続きです。いいことおっしゃります。訳が合ってればだけど…
「チームが一貫して試合を続けていくのが大変なのは本当だ。試合日程はつまっている。でも、僕達はそのためにトレーニングしているんだ。絶えず手を加えられるチームで、まとまりを保つのは難しい。それでも僕は、プレーする喜び、自分を再発見する喜びはいつもそこにあると言い切れる。幸いにしてね。そうでなければ、ラグビーをやる必要などないよ。プロフェッショナリズムはまだ、ラグビーのベースにある哲学をゆがめてはいない。大もうけして楽しもうなんて思っていては駄目だ。スペクタクルと結果を出すために、僕達は集中している。でも、僕達の心の奥底にはそのフィーリングがいつもある。自分達がフットボールみたいになるとは思わない。すべては選手次第だ」
(たぶんもう1回つづく)
2006.05.30
2006.05.29
Can't get there from here
ここのとこ、PSGブログのパウレタ移籍関連のエントリタイトルを、REMのアルバム“Green”の曲名から取っていました。いや特に理由は。先週の水曜にカイザックが「リヨンの横暴には屈しませんよ!」と“Stand”したものの、次のエントリは草木一本残らぬ“Orange Crush”になるのかなあ…と思っていたら、なんとその翌日パウレタ様が契約を延長なさってネ申になり(多分)、今の気分はいわば“You Are The Everything”。
エントリタイトルに借用した“Pop Song '89”は、「ハロー久しぶり、えーと君何て名前だっけ…あれっ悪い悪い、人違いだったみたいね、じゃ天気の話でもしようか、政治の話にする?」みたいな馬鹿げた曲で、ポップ・シーンに対するアイロニーでもあるし、同時にポップの本質を突いてる。この曲のビデオは確かマイケル・スタイプ自身が監督していたはずで、当時はまだ長髪(…)のスタイプと2、3人の女性が、上半身裸にスパッツという同じカッコで黙々と踊る(だけ)というヘンな内容だったと思う。性が微妙に交錯して、でも全然セクシーじゃない。
ちなみにこのビデオの奇妙な温度の後で、スタイプが撮ったもう1つのビデオ、“Finest Worksong”あたりを見ると、彼のセクシュアリティに関してはなんとなく、ははーん、と思える、というのは、80年代のイメージとして、ブルース・ウェーバーとかハーブ・リッツとかその元祖ハーバート・リストとかのメールヌード・フォトのイメージというのが1つあって、そのへんの美意識がモロなのね。アート・ミーハーのスタイプがコンテンポラリーお洒落ゲイなイメージを流用しただけかも、なんて思ったけれど、彼はその後カミングアウトしたんだよね、確か。
“Automatic For The People”のアートワークで、海面から顔を出して目を伏せるスタイプの写真は、アメリカの写真家ハリー・キャラハンが奥さんエレノアを撮った作品※にちょっと似ている。
※ http://www.geh.org/ne/str085/l198111310003.jpg
2006.05.09
ラグビー(&フット)ニュース5月9日
ラグビーフランスリーグ・トップ14はその後勝った負けたがいろいろあって、リーグ戦は残り2試合で首位ビアリッツ、2位スタッド・フランセ、3位トゥールーズが各1ポイント差で並んでいます。先週末スタッド・フランセはバイヨンヌと対戦しましたが、先行する試合でビアリッツが13位ポーにまさかの敗戦を喫したのをハーフタイムに聞いたか何かで気でも緩んだのか、後半の始めにポコポコッとやられて28-11で負けています。12位のチームに。
チームはアルゼンチン人フルバックのコルレトが新たに負傷者リスト入りするなど、怪我人が多め。スザルゼヴスキはこのバイヨンヌ戦は欠場しましたが、その前の週のブルゴワン戦ではまたトライを挙げたワー。なにげに今季は13試合で8トライを挙げてチーム最多トライの模様です。HOだけど。
ところでバイヨンヌと聞いて先日のコメント欄での話を思い出し、以下フットボールの話になるけど、04年の2月にフランスカップベスト8で、PSGがバイヨンヌのCFAのチームと対戦したことがありました。その際、バイヨンヌのスタジアムが基準を満たさないことから、バスクのチームであるバイヨンヌは、提携しているスペインのレアル・ソシエダのホームスタジアム、アノエタで試合を行うことを希望。「スペインでフランスカップ??」なんて話題になりました。が、試合は結局規定どおりPSGホームのパルク・デ・プランスで開催。
試合は2-0でPSGが勝ちましたが、この日スタンドの一角にはバスクの旗がはためき、キックオフの前にはバスクベレーをかぶって入場したバイヨンヌの選手達が、彼らのベレーを首都のチームPSGのペナントと交換するといった、メッセージ性の強いパフォーマンスも見られたそうです。
ラグビーでは、近年同じバスクのビアリッツがアノエタでヨーロッパカップの試合を行っています。3月にバスクの分離独立運動組織が停戦を宣言したりして、こういう動きも進んでいくのかもしれませんが、その前にアノエタの芝が持たないか…
スタッド・フランセの最近のもう1つの話題は、ホームスタジアムに関してです。ビッグマッチはスタッド・ドゥ・フランスに8万人近い観客を集めるスタッド・フランセも、通常のリーグ戦はキャパシティ1万強のスタッド・ジャン=ブアンで行っています。でパリでは、スタッド・フランセがパルク・デ・プランスへ引越し、PSGはスタッド・ドゥ・フランスにホームを移しちゃどうよみたいな話もあったらしいのですが、つい先日パリのドラノエ市長が、2012年までに現在のジャン=ブアンのスペースに1万5千~2万人規模の新スタジアムを建設する構想を明らかにしました。
さて3月4日のスタッド・フランセ対ビアリッツ@スタッド・ドゥ・フランスは7万9604人という動員を記録し、「ラグビー人気はフットボールを超えた?」といったニュースにもなったのは記憶に新しいところです。この種のスタッド・フランセの試合は花火やカラオケやショーなどで、老若男女家族連れも楽しめるような「お祭り」の雰囲気も演出している様子。まあ、ここの会長さんはやり手なんではないかなと思う。
フットの方はというと、なにかと(不名誉な)注目を集めたフランスカップ決勝、PSG対OMを観るために、スタッド・ドゥ・フランスには7万9061人が詰めかけた模様。いずれにしても首都の潜在的な観客層をいかに継続的にスタジアムに呼び込むかというのが問題で、まあヌードカレンダーを出せとは言わないけども、リーグアンも最低限タイトル争いが白熱しないとマズイ。ついでに言えば、このようなお話を拝見すると、フットボールファンがラグビーファンに比べていささかお行儀が悪いのはホントのようで、その辺のイメージもやっぱアレか…
バイヨンヌ戦の後ションボリ公式サイトに行ったら、スザルゼヴスキとガルティエコーチの2ショットで一気に盛り上がる自分もつくづく単純だと思う。ガルティエやっぱカッコヨスなあ。
2006.04.13
毛ガニ
フランスカップでリールに勝利を収め(2-1)、準決勝に進出したPSG。そのゴールを決めたパウレタ(画像)の胸元にご注目。
カップ戦用のアディダス・ユニのスポンサーロゴですが、以前リーグ戦の中継で解説の方(西部さん?)が、このマークが日本語の「毛ガニ」に見えてしょうがないという話をしていて、そう思って見るとこれが見事にパっと見「毛ガニ」にしか見えない。いわゆる「多義図形」、1つの絵が若い娘に見えたり老婆に見えたりするアレみたいなものですが、どうもベガルタの「カニ○ップ」のインパクトが心理に作用しているような気もします。
このロゴが本当は何をデザインしたものなのかというと…(↓continue readingをクリック)
2006.02.11
訃報
富樫洋一さんがCANの取材中にエジプトで亡くなったと聞いた時は驚きました。アフリカンフットボールにお詳しく、フランスリーグの中継でも取材体験談などを交えながら解説をなさっていらっしゃいました。自分は先日エインセブログの記事を書く都合で、富樫さん解説のPSGの試合で実況アナとのかけ合いを見直していたばかりでした。
「ソリンが3月4月の月間MVPになったそうですから、ちょっと注目ですね。キレキレっていうことですね今ね」
「はい」
「…ソリン…が入ってる状態ですね」
「そ、それは…」
「キレちゃって」
殺伐とした批判が飛び交う昨今のフットボール批評の世界で、あの方なりのアプローチでフットボールを見る楽しさをお伝えになっていらしたように思います。心からご冥福をお祈りいたします。
2006.01.25
おもしろうてやがて悲しきピーター・クラウチ
私が初めて自分で買ったアルバムは、確かエコー&ザ・バニーメンの“ポーキュパイン”だったと思う。ボーカルのイアン・マッカロクが地元リバプールFCのサポだというのは聞いたことがあるけど、そのリバプールとマンチェスター・ユナイテッドの伝統の一戦は、なかなか緊張感のある熱い試合だった。緊迫するのはいいんですが、解説原博実がイギリスの食を語る暇がなかったのがちょっと心残りだ。イギリスの食について語ることがあればの話だけども。
ロテンのダチ、エブラはまだ、プレミアのスタイルの違いはもちろん、判定基準にも苦労しているみたいだ。エインセもそうだった。エインセの移籍当初は、私も彼と同じところでびっくりしていた。フランスリーグに慣れた目からすると、明らかにジャッジの解釈にずれがある。彼らの感覚では、ファウルが取られるはずなんです。エインセの時には中継で、メンタルのせいにされたりしてちょっと待てーと思ったけど、やっぱ何事も時間ってものが必要なんですよ。
クラウチは相変わらず期待を裏切らないデカさ。アウェイの白シャツが、五合目まで冠雪って感じだ。そんな山頂の空気の薄そうなクラウチが、セットプレーでヒーピアと並び立つ量感が素晴らしい。評価の方はさておくとしても、彼はいつも頑張ってるよなと思う。サルバドール・ダリの足の長い象みたいな危なっかしい体形でわっしわっし走る。あれだけ規格外のサイズだと、選手としてはむしろ大変なことの方が多いんじゃなかろうか。心臓にも負担なはずだし、瑣末なことですが移動もホテルのベッドもしんどそうだ。それでも彼はフットボールがやりたい。いいじゃないか。
最近、世界の電柱についての情報をいろいろ教えていただいてとても嬉しい。テクニカル電柱の時代は必ず来ますよ、と無責任なことを言ってみる。セルビア・モンテネグロのジギッチ202センチとケジュマンのコンビはかなり楽しみ。アルゼンチン戦のクラウチとオーウェンの凸凹2トップも、なかなかの味わいというかほとんどマンガだった。凸凹コンビというと、ボローニャでのケネット・アンディション(だったっけ?)とシニョーリを思い出す。ケネットがかがみこんで、シニョーリがなんかガーガー言ってるのを聞いてるのがおかしかった記憶がある。
実は、猫も大きければ大きいほどいいと思っている。
2006.01.16
なんて年末年始
パウレタが先制したと思ったらたちまち追いつかれて、あーまたこの展開なのかと思ってたらぎりぎりで勝った、トロワ戦。メルシーファブリス。初スタメンなんだぜのロドリゲス君がいい評価をもらって、早くもニューヒーローなんて騒がれている。エインセも止められなかった期待の新星。怪我が大したことありませんように。
←寝癖がかわいい
PSGの監督交代と移籍市場と年末年始がいっぺんに来るという、サイト運営的には考えられる限り最悪な進行の数週間だった。さらに年の瀬のファーガソン発言に色めきたったアルゼンチンメディアが、たまたま帰省中のエインセに突撃というオマケもついたわけで、先週は正月サボってた分のニュースをやっと7割片付け、後の3割は見なかったことにする。
そんなこんなだったけど、週末は久しぶりにたくさんフットボール関連の番組を見ることができて幸せ。ユナイテッドはアレだがスチュアート・ピアースは好きだ。現役の頃を見ていたら多分惚れていた気がする。というかこんなところでリエラ発見。その後セルティックで中村俊輔の漫画みたいなFKと横縞キーンを見、リバプールで粛々とボールを落とすクラウチ初号機にしみじみした。
Jスポーツのフランスリーグガイドは、PSGがメインの回だったので嬉しかったけど、惜しいかなアルマンの顔写真が間違っているようだ(それは多分セマク)。一方Foot!ではリケルメが激しく男を上げていた。フィゲロアに関しては、今のうちに撮っておいてあげてほしい。何が今のうちなのかはあえて触れない。
年もかわったことだし、そろそろトップページのS・マルクマスのアルバムジャケット画像を取り替えようと思った。戌年ということで手っ取り早く目についたベックの“Odelay”を試してみたところ、まったく犬に見えなかったので、結局今の気分でDCFCの“We have the facts and we're voting yes”。音もアートワークも好きだ。昨年は夏の間マルクマスを聞いていて、後半はあっけなくエモにはまり今に至ってる。
関係ないけど、ミランのピルロを見てると、なんとなくいつもベックを思い出すのはなぜだろう。どことなくオタな空気(申し訳ない)のせいかもしれない。ともかく、「オレは負け犬だァ~」とか歌ってしまったら、ある意味人生怖いものなしじゃないかと思う。私はというと、うっかりPSGなんぞを好きになって、「うぐ~勝てない」なんてやってる方が、自分はやっぱり性に合ってる気がする。
2005.12.08
イミテイション・オブ・ライフ
昨季も早かったけど今季もチャンピオンズリーグが終わりました。なんということでしょう。天ぷらだの鉄砲伝来の話なんかしてる場合じゃないですよ金子さん。まあ過ぎたことは仕方がないので、過密日程でさらなる怪我人のリスクは多少は減ったのだというポジなことだけを考えてリーグと国内カップに集中する、しかない。
プロスポーツは勝ってナンボ、まあそれでも完璧な選手なんかいないし、チームも勝つときも負けるときもある、だからこそフットボールは人生の比喩でありうるんだ、っていうのが原点じゃないかと思うのですけどね。ロテンは確かに不調だけど、体格に恵まれなかった彼がそれでもフットボール選手になりたくて、自分の持てる武器だった左足を磨きぬいてここまで来たことを知っている。
年末をひかえてそんな殺伐とした近頃、もっぱら真夜中の猫イメージ検索、猫ブログ探訪で癒されるわけです。思わず日参してしまうところ(ヒミツ)の猫さんは、なぜかみんな女の子。
これまで身近なところにいたのはむくつけきオス猫ばかりでした。女の子はどうも避妊の手術が重そうでかわいそうで、もちろんオスだってかわいそうなんですけど、以前実家の猫(オス)が去勢手術して病院から帰ってきて、何だかお尻の周りをきれいに毛刈りされた上に塗り薬か何かをベタベタ塗られてすっかりその辺が濡れしょんぼりしており、内股でヨロヨロ歩いてパタンと倒れたりしているところを見ていると、痛ましくて痛ましくてならないんだけど母親と2人でつい口元がゆるんでいたりして、まあ女なんて残酷なものです。父が一人で憤慨していた。
2005.12.07
Different Names for the Same Thing
「言葉が生まれて初めて世界は世界としての姿を持ち始めたのだ。鬼も神も魔も人間が名付けることによって生まれた。それ以前はただのモノだ」
諸星大二郎の「妖怪ハンター・魔障ヶ岳」(講談社)、やっぱり唯一無二だね、という諸星ワールドです。
ストーリーはあまり詳しくは書かないけれど、おおまかに言うと、異端の考古学者・稗田礼二郎と3人の男女が魔障ヶ岳の山中で正体不明の「モノ」に出会い、それぞれが「モノ」に名前を付けて(あるいは付けずに)連れ帰る。しかし、名前によって実体を与えられた「モノ」は、やがて名付けた人間の意志を越えて育っていき…、という話。
この話で重要な鍵になっているのが「名前を付ける」という行為です。言葉や名前を欲望でもてあそぶことが、時に恐ろしい結末を招くというわ





















