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2015.03.01

インタビュー再掲もう1つ

「たとえ私が毅然とした人間が好きだとしても、まあ、私も丸くなったと思う。気骨のない人間は窓のない家のようなものだ。プライドも根性もなくしては何も勝ち取ることはできない」
ヴァヒド・ハリルホジッチ語録2004。


閉鎖した私のサイトからもう1つ、PSG監督解任の少し前のヴァヒドのインタビューを再掲。

ヴァヒドは批判も受けたけれど、低迷する大赤字のビッグクラブを立て直すためにすべきことをしようとしていたのは分かる(まあPSGは体質がゆるいからネ…)。PSGの監督に就任したシーズン、チームはスタートにつまづき、ヴァヒドは何人かの主力選手のポジションを移動させた。それは実際よく機能して、PSGはリーグ2位の好成績でシーズンを終え国内カップも勝ち取ったのだけど、選手達は起用法に不満を示し、それはロッカールームの火種になった。

ただ、これに関してはあながちヴァヒド1人の責任とは言えない面もあって、つまりヴァヒドの一徹な性格は、いい条件で移籍したい選手の出ていく口実にされた面もなくはなかった。当時はオランピック・マルセイユによるパリの選手のあくどい引き抜きが相次いでもいた。

まあ10年も前のことではあるし、過去の失敗の話を蒸し返すのもどうかと思うけれど、誇り高く個性の強い人なので(彼たしかレジオンドヌールよ)、もし本当にヴァヒドを代表監督として迎えるなら、彼がどういう人物なのかをメディアや日本代表サポがあらかじめ分かっている方がいいのではないかと私は思う。
日本人は彼のようなはっきりした物言いには慣れていないし、特に、お世辞にもレベルが高いとは言えない日本のメディアとの間にいらぬ軋轢を生まないか、私はその点を心配してる。

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<04-05シーズンの不振を語る>   04年10月13日 ル・モンド

Q: PSGのこの期待はずれのシーズン序盤をどのように体験しましたか?
「今の時期は私の監督としてのキャリアで最もデリケイトだ。一方で、それは精神を豊かにもした。こういった状況にどう立ち向かうかを体験できる。このデリケイトな状況を破綻なく抜け出せば、PSGはクラブ史上最も重要な戦いの1つに勝つだろう」


Q: この悪い時期をどう分析しますか?
「我々は思いがけない03-04シーズンを体験した。たとえ批判は多かったとしてもだ。スタイルが守備的過ぎるとか…。おかしなものさ、メディアのこのフットボール・ジャコバニズムというものはね。つまり、PSGで起きることはどれもこれも良くないことなんだ。たとえ軋轢などない時でさえ」

「話を今季に戻すと、エクス・レ・バンでのキャンプはすこぶる好調だったのに、ロッカールームは完全に破綻してしまった。新加入選手は、他の選手から歓迎されなかった。嫉妬のためにね。前からいる5、6人の選手は、自分達はエリートだと思い、出世したと思っていたんだ・・・。彼らはすっかり変わってしまっていた。争いを引き起こした者もいた。故意にかもしれんな。フィオレズ事件は多くのことを不安定にした。我々は試合のボーナスや契約の更新について話し合い、メディカルスタッフは自分達の給料に不満を抱いていた。まあ、いろいろある。おそらく気の緩みもあったんだろう。我々は全員、ちょっとばかり思い上がっていたんだ。スタッフ、幹部、そして何より選手たち」


Q: 要するに、チームは仕上がっていなかったと…
「そうだ。チーム作りは簡単なことではない。私は日々の労働で、チームはひとりでに、自然に1つになると思っていた。何も強制しようとはしなかったよ。私はことを起こすべきだったのかもしれない。ロッカールームが良くない時には結果は得られないものだ」


Q: 不振の原因はリーダー、前のシーズンのフレデリク・デウーに課せられた役割の不在ではないのですか?
「問題は、今季は選手全員がリーダーになりたがったことだ。全員がキャプテンになりたがっていた。私は結局、彼らの中で一番謙虚だったピエールファンファンにキャプテンマークを委ねた。そしてペドロ・パウレタをナチュラル・リーダーにした。2人とも私に、他の選手は言うことをきかないと言ったよ!ジェラシーはフランスでもっともよく行われるレジャーのようなものだ。しかし、私はそのことが、チームにあれほどの軋轢を引き起こすとは思わなかった。チェルシー戦の敗戦の後、私は強権を発動し、選手たちに彼らの間で問題を解決するように言った。そして、もし誰かを放出する必要があるのなら、私はそうするだろう、とも」


Q: ニューカマーのジェペス、アルマン、ロテンが本来のレベルに全然達していないのはなぜですか?
「まさに、彼らが同僚から暖かく迎えられなかったからだ。私だってそうだよ。ナントでの選手生活の1年目には冷遇されたものだ。チームメイトは決して私にボールをくれなかった。後になって、彼らは私に、私のサラリーを妬んでいたのだと打ち明けたよ。今の状況も同じようなものだ。ある者は新しく来た選手にこう言った。“どうしてPSGに来たんだい?君のポジションにはもう選手がいる。君よりいい選手がね”。ロテン、ジェペス、アルマンはいい選手だ。しかし、彼らはこの“歓迎”でひどく傷ついた」


Q: この状況に責任を感じていますか?
「監督なら、常に責任がある。このチームをチョイスしたのは私だ。私はチームを信頼していた。しすぎていたんだな、おそらく…。それでも彼らは悪い連中ではないんだ。しかし、これほどの不和が生じるとは思っていなかった。我々が多くの負傷者を抱えていたこと、何人かの合流が遅れたことも付け加えておこう。何も簡単じゃない」


Q: 辞任を考えましたか?
「一度も。決して辞任はしない。4年契約をまっとうするだろう。4,、5年延長だってするかもしれない。当然だろう…」


Q: 解任を心配したことは?
「一切ない。私は全員から支持を受けていた。ジャン=ルネ・フルトゥ(ヴィヴェンディ・ユニヴァーサル・グループ会長)、ベルトラン・メウ(カナルプリュスグループ会長)、そしてもちろんフランシス・グライユ(PSG会長)。私は自分の仕事を疑ったことはないし、そもそも誰も不平を言ってない。君達は選手が私の仕事を悪く言うのを聞いたのかね?」


Q: デウー、ハインツェといった何人かの元選手が、最近あなたのやり方を批判しました。彼らの目には独裁的すぎると。
「監督の仕事に就く者が、毅然たる意志も権威もなくしてPSGのようなクラブを指揮することはできない。ここでは、決めるのはこのヴァヒドだ!我々はシーズンの初めに内部規則を定めた。全員がそれに従わなければならない」


Q: あなたは選手たちに厳しすぎはしませんか?
「厳しいとはどういうことだ?私を最高にうんざりさせるのは、選手たちがいったんクラブを出て行くと、PSGを悪しざまに言うのを聞くことだ。似たようなことをする監督もいる。彼らは恩知らずな言葉を口にする。昨日までの素晴らしかった人間がだ。その気になれば、私はルイス・フェルナンデスとジャン=ミシェル・ラルケに対していろいろと批判するかもしれんな…」


Q: あなたとフランシス・グライユ(会長)の友情は、あなたを守っていますか?
「フランシス・グライユは私に、私の彼に対する借りより多くの借りがある。彼は私という人間が分かっているし、私のやり方も知っている。我々は同じ船に乗り、固い信頼で結ばれている。喧嘩ばかりしていたフェルナンデスとペルペールとは違ってね!」

「ことわっておくが、この7、8年でPSGが赤字なしでシーズンをスタートしたのは今季が初めてだ。ついでに言うと、我々はクラブが選手に貸していた家にあった家具を返してもらった。それこそサンジェルマンアンレ中の家を飾り付けられるほどだったよ!私の仕事部屋のテレビは見ているだろう。あれは家に2、3台テレビを置いていた選手のものだったんだ。ここに来てから、匙一本買わなかった」

「PSGはすっかり変わった。そしてそれを喜ばない者もいる。選手の中には、なぜPSGがもう前ほど豊かではないのか分かっていない者もいる。イビセヴィッチを獲得した時、彼らは私にこう言った。「どうしてモリエンテスを獲らないんですか?」。簡単なことだ。イビセヴィッチの月給は5,000ユーロなんだよ。クラブの安定はそこからだ」


Q: PSGはまだチャンピオンズリーグのトーナメント出場権を獲得することができますか?
「難しいだろうな。スタートが悪かった。我々はまだ問題を脱してはいなかったから。しかし我々は、一刻も早くチームを立て直すために何でもするだろう。私はといえば、より気を引き締めていく。夢のようなチームを手にしたと思っていた。私は間違っていたんだよ」

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