【ラグビー】 今だから話せること
そーかIRBの会長選ね。と、ふと政治的なことが頭をかすめるにせよ、
ワールドカップの間に起きたあれやこれやについては、まあ、もう新しいサイクルに入ったわけだから…と思わなくもないのだけれど、今だから冷静に話せる的なことはぽつぽつ出てきますね。
最近、準決勝でウェールズのウォーバートンに迷わずレッドカードを出して論争を引き起こしたアラン・ローランドレフェリーが、自らのレフェリングについて説明をした。
彼はレフェリーにとって重要なのは判定の際には感情を排することだと考えていて、やり直さなければならないとしても同じようにするだろう、と話しているらしい。
「我々はアクションそのものについてしか判断できない。そしてウォーバートンの行為はレッドカードに相当した。あれは危険だったから。私には他の選択肢はなかった」
あの判定が「フランス有利の笛」だったかどうかは、試合中フランスが同じようなスピアータックルを犯さなかった以上何とも言えない。何事もなくて幸いだったけれど、あの時点でフランスはトライ王のクレールを失う可能性もあった。
少なくとも危険行為についてのムッシュ・ローランドの判断には一貫性があり、やったのがフランスだったら同様に厳しく罰されていただろう…。ただしその場合、あんな大騒ぎになっていたかというと、ならなかったんじゃないかという気がする。
あの試合で、14人になったウェールズがやるべきことは限られていたのに対し、フランスには選択肢があり、それは時に状況を複雑にする。
数的優位にものを言わせるにはウェールズは手強い。レフェリーは残り時間、どこかでこのレッドカードの埋め合わせをしようとするかもしれない。それが適切だったのかどうかは分からないけど、フランスがああいうゲームを選択したのならそれはそれで仕方ないと思う。
仮にスペクタクルを見せて勝ったところで、どのみち「1人足りない相手に…」てなことを言われるのは分かってるわけで、あの試合はどちらのチームにとっても難しかった。
まあ、「フランスはせーぜーお客さんに喜んでいただいてから準決あたりでとっとと消えてもらいたい」的なコンセンサスは常々感じなくもない。そうはイカのき(ry
やっぱり英と英連邦のスポーツかな…
当のウォーバートンも、クレールへのタックルは退場を命じられるのももっともだった、と認めているらしい。
「ジャイアントスクリーンでスロー映像を見たら、その時よりずっと悪質に見えた。ルールでは、選手を持ち上げて落としたらレッドカード。それが僕のやったことだ」
彼は決勝が終った後、帰国の便のオークランド-ブリスベーン間で偶然クレールの隣りの席に乗り合わせたことも打ち明けた。
「世間は狭いね。信じられなかったよ。右を見たらそこに彼がいた。彼は僕に笑いかけた。僕達は握手して話して、すべてうまくいったよ」
大丈夫、誰もあのタックルが故意の行為だなんて思わないよ。
だから、この話はこれでおしまい。とてもラグビー的なエンディング。少なくとも当事者2人にとっては…
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