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2011.05.19

【ラグビー】 ボール、人間、記憶

トラン=デュック語録。
「歴史的に、フランスではSOは一度も全員一致の賛成をみたことがない。僕はずいぶん若くして代表にデビューしたから、大勢の人が混乱したに違いない。SOはよく前面に出されるけれど、同じくらい重要なのにSOほど報われないポジションがある。ラグビーでは、10番みたいなスターは必要ないよ」


ラグビーをよく知らないというトラン=デュックのご両親は、彼を応援しつつ常々勉学をおろそかにしないようにも言っていたらしい。だから、トラン=デュックはいつでもラグビーと学業を両立させて、今はモンペリエの大学でスポーツのマネジメントを学んで学士号を取るところだそうだ。
話す時にはしっかりした話をします。それにしても、最近の若きモンペリエランの発言を聞くに、ガルティエのロマンティックは確実に伝染しつつあるのかもしれないな…


「実際、先週(最終節トゥーロン戦の後)はありとあらゆる形容詞を使って話をしたけど、今はもう出てこないよ。言葉にできない。これはヒストリー、ラグビーをプレーすることに魅了されて、偉業をやってのけた22人の若者だ。
試合が始まった時から、僕はそれができると感じていた。僕達にはプレッシャーもなかった。誰も僕達が勝つとは思っていなかったしね。プレッシャーがあったのはカストルだよ。僕達は自由だった。ただプレーしたくてあそこに行った」

「ラシンはいいシーズンを達成しているクラブだ。とてもソリッドで、とてもコンスタント。経験豊富な選手と大勢の代表選手がいて、決勝フェイズには慣れている。難しい試合になるだろうね。僕達はまたノンプレッシャーでプレーするよ。
僕達にはいいプレッシャーしかないし、今からもう、ただそこに行きたい。プレーオフはすでにボーナスみたいなものだった。準決勝なんていったらもうスーパーボーナスだよ。シーズンの初めには想像もできなかった」

「僕達は本当に、準決勝が待ちきれない。大きなスタジアムで、僕のクラブと。すごいことだよね。
ロッカールームのムードはまるでカデットだ。一緒に生活するのが嬉しくてしょうがない若い子達みたいな雰囲気だよ。ラグビーの経験を除けば、エモーションをつけ加えるのは人間的な面なんだ」
(トラン=デュック談)

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今のモンペリエを見ていると、ガルティエが在籍した頃のスタッド・フランセはちょっとこんな感じだったんではないかな、と思ったりしますね。もちろんモンペリエはずっと若いチームだという違いはあるけれど。
私がフランスラグビーを見始めた頃には、まだそんな大家族的な雰囲気が残っていたっけ。まだ5年くらいしかたっていないのに、ずいぶん昔のような気がしますよ。

ラグビーの人間的側面…うんそうだね…
以下は少し前のインタビューだけれど、ガルティエが今季パリでスタッド・フランセと対戦する前に話したこと。


─スタッド・フランセとの再会…胸がいっぱいになってしまうだろうね。私はパリで特別な6年間を過ごした。選手として2年、コーチとして4年。私はあのクラブで、絶えずめったにできないような経験をした。
私は会長やクラブの人達とはとてもいい関係のままスタッドを去った。コーチとして4年過ごした後で、私にとってはちょうどポストを譲るべき時だった。一息つく必要があったんだ。しかし、あそこを出るのにネガティブな理由など1つもなかった。

パリでの最高の思い出は、07年決勝(優勝)前日のマイヨの授与だ。クラブの伝統にのっとり、元選手達がサプライズを起こしにやってきて、翌日クラブを代表して戦う選手達とホールで再会した。
元選手が若い選手にマイヨを手渡す。私はギャラリーとしてこの授与を経験した。自分は手渡しも受け取りもしなかったから。私はその奥深さや人間的な面で、この魔法のようなひとときを楽しんだ。
この一瞬に、コンペティションの精神の文化があった。マックス・グアジニとクラブを通過した人間は皆、このメンタリティを育んでいた。

コロミエで、フランス代表やアルゼンチンで、もちろん同じように多くを学んだ。しかしパリ、私の中にはあのクラブのかけらがあると思う。そして私自身の一部をあそこに置いてきたのかもしれない。他の大勢の選手達と同じようにね。
ステファン・グラ、ペトル・ドゥヴィリエ、クリストフ・ジュイエ、リチャード・プール=ジョーンズ…綺羅星のごとき個性、綺羅星のごとき歴史。

私はスタッド・フランセを思い、コロミエでの20年間を思う。アルゼンチンでの素晴らしい2年間や、フランス代表の13年間は深く心に刻まれている。
ほら、JPリーヴが言っていただろう?「プレーする時、そこにはボールがあり人間がいる。いつかプレーを止める日、ボールはもうそこにはない。ただ人間と思い出だけが残る」
そのとおり…私にはもう思い出しか残っていない。

パリの選手達との再会?いや、3年も前のことだ。選手達も変わり、私のことも忘れた。新しい選手が大勢いる。
3年の月日はたちまちスポーツを変えてしまう。─

Galthietrinhduc

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