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2011.03.03

【音楽】 フランス音楽代表と言語学 (追記上げ直し)

最近、若手テノール歌手のアモリ・ヴァシリ(Amaury Vassili)が気に入ってよく聴いているという事実には、我ながら軽くオドロキ。あまりにもベタなので、割りきって聴けるというのはまあ、ある。
ウチのバング&オルフセンはほぼアコースティック専用で、うかつなもの(ペイヴメントとか)をかけようものなら当然「なめんな」と怒られるんだけど、アモリのディスクについてはまあまあ機嫌良く再生してくれます。


そのアモリ・ヴァシリが5月にドイツで開催される今年のユーロビジョンのフランス代表に選ばれた、というのが2月初めのニュースになってました。

「我々はフランスの音楽の素晴らしさを最もよく代表する若者を求めた。アモリは黄金の声を持つ音楽の天使だ。我々は長くは迷わなかった」
とは、放送局フランス3のディレクター。


ユーロビジョンのコンテストの規則に基づき、彼は未発表のオリジナル曲を歌うことになりますが、実はこの曲、歌詞がコルシカ語だという。
フランス代表がコルシカ語で歌うってどうなの?という声もあるようだけれど、ディレクターによれば、これはフランス3が地方向けチャンネルであることを強調する狙いと、何よりイタリア語に近いコルシカ語はオペラ曲に向いている、とのことらしい。


アモリ本人もインタビューの中で説明してます。
「僕達はフランス語バージョンも作ったんだけど、それはまるでイケてなかった。コルシカ語は美しい言語だよ。僕はよくイタリア語で歌っているけど、イタリアはコンテストに復帰しているから、それは無理。
フランス語だったら、あの歌は美しくもなければ流麗でもなかっただろう。馬鹿なことを言うかもしれないけど、でもコルシカ人はフランス人だ」

過去には1996年に、フランス代表として出場したダン・アル・ブラースが完全ブルトン語の曲を演奏し、下位に終ったということがあるそうだ。

                        Laceg_2

日頃オペラはあんまし縁がないのでうかつなことは言えませんが、1stアルバムを聴きながら、テノール歌手言われてるけどこれはオペラの唱法とは違うんでないかなぁ…と思っていたところ、彼はやはり本格的なオペラを学んだ経験はないようなのでした。

インタビューを見ると、まだ21歳ながら結構しっかりした話をする若者で(しかもよくしゃべる)、単なるプロデューサーのお人形ちゃんではなさそうな感じ。
1stアルバムはフランス国内で25万枚、国外で10万枚売れた。でも本人は、この成功が自分の声だけによるものではないことを分かっているらしい。以下複数のインタビューから抜粋。


─1stアルバムではTF1にサポートされて、世界最年少のテノール歌手として紹介された…。僕はどこかで、自分がプロダクトだということは分かってる。たとえ僕がこんなふうなキャリアを思い描いていなくて、完全にミュージシャンとして認められたいと思っていてもね。
でも大テレビ局のサポートを受けたりすれば、純粋主義者たちに攻撃されるものさ。僕は今日マーケティングは音楽に不可欠な一部だと考えているし、それを演じなければならないと思う。

僕はオペラ歌手のカテゴリーに入れられたくない。僕はただテノール歌手、それが呼び名だ。それから、週に何度もボイストレーニングをしていても、僕は直感的に歌っている。
ダヴィデ・エスポジトとジャン=フェリックス・ラランヌの未発表曲が収められたこの2ndアルバムは、ポップとオペラの合流点だ。同じく"カルーソ"、アンドレア・ボチェッリで有名な"コン・テ・パルティロ"、ミシェル・ルグランの"風のささやき"。それにジョニー…イタリア語でね!
実は"Dietro L'amore"、つまり"Derrière L'amour"はトト・クトゥーニョが作曲してジョニー・ハリデイが歌った曲だ。彼もまたテノール歌手に違いないけれど、オペラ歌手じゃない!

僕はオペラ界とはあまりつきあいがないし、よく知らないことを認めないとね。言われているように、僕が一般大衆に集中して純粋主義者を気にしていないというのは本当。それから、彼らの思っていることも少し分かる。
僕が正真正銘のオペラ歌手じゃないというのは、そのとおりだ。だって、そのための育成を受けていないから。でも、僕は偉大なオペラの中の歌手だなんて思い上がってもいない。僕は自分の個性と声で、自分の小さな道を行く。毎回、進歩しようと努めてるよ。

観客はたぶん、生楽器が必要なんだよ。音楽の源流、だからクラシックに回帰して。大勢のラッパーが、彼らの曲にクラシックの旋律を使った。
それから、心を落ち着かせる側面もある。僕は多動性の子供だった。それで11歳の頃、子供たちが課題に集中するようにモーツァルトを聴くことをすすめる研究所に定期的に通っていた。
僕の適性は、その時生まれたのかもしれないね。─

Amauryev

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