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2010.10.26

【ラグビー】 楕円のジダン、楕円のマテラッツィ

フランスラグビーとサッカーの関係は奇妙なものだと思う。ラグビーは「我々はサッカーではない」、と言いながら、絶えずサッカーの位置を確かめることで自らのアイデンティティを確認しているように見えます。

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所用でネット落ちしていて週末のTop14は1試合も見られませんでしたが、なんでもザルゼウスキ師匠がトゥーロン戦(22-15、パリジャンの勝ち)で相手選手に頭突きをくらわし、11月10日にLNRの規律委員会に召喚されたという…
この種のケースでは通常、30日から2年のサスペンションが科せられる。フィジー戦のわずか3日前で、リエヴルモンは秋のテストマッチに師匠を奪われる可能性が濃厚です。

平素の師匠はむしろ模範的ですが、若手時代はカッとなったら手のつけられない荒ぶる魂、東欧の火薬庫でございました。中堅と言われる年になって、最近はずいぶん落ち着いたよなあ(私の見てる範囲では)、と思ってた矢先のこのニュース。見出しを見たとき、これはもしやあのジュヌヴォワが試合に出たのでは…と直感したのでした。
おおビンゴ。

これがまあその事件の現場ですね。(YouTube)
スクラムの後、トゥーロンの控えフッカー、ジュヌヴォワが師匠に近づいていって何か言葉を交わし、それから師匠がジュヌヴォワに頭突きを入れ、ジュヌヴォワがグラウンドに倒れる。

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この2人には、2年前からの浅からぬ因縁がある。
08年5月、スタッド・フランセと当時ジュヌヴォワが在籍していたブルゴワンの対戦のとき、ラックから立ち上がろうとした師匠に、ジュヌヴォワが突っ込んできて頭突きを見舞った。
師匠は眼窩底を骨折してシーズン終了、ガルティエが「頑丈な首をしていなかったら一生障害を負ったかも」、というほどのすんごい頭突きでしたが、この件はその後両クラブ間で、やったやられたでずいぶんもめた。

その時のジュヌヴォワの処分は70日の出場停止。いずれにしても私の記憶では、師匠はその後ブルゴワン戦のたびに温存されたりして、ここまで両者は同じグラウンドに立ったことがなかったはず。

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もちろん暴力はいけません。それは前提。しかし今回の師匠の頭突きでは、ジュヌヴォワは怪我はしてない…というか普通に立ち上がってピンピンしとります。マーク・リーガンかキミは。"ボンジュール"みたいな軽い頭突きじゃないか、とラグビーファンは言っている。
私はもちろん頭突き方面の経験はないので分かりませんが、1列仲間ってハイタッチがわりにがんがん頭をぶつけ合ったりしてるので、あれは彼らの意思伝達の一手段なのかと思ってた…

報道はやはりというか、ジュヌヴォワのシミュレーションをほのめかしている。倒れるほどではない、ちょっと大げさだ、大根役者、サッカー選手のようetc…
ラグビーファンの中でも、トゥーロネを除けば、シミュレーションやラグビーのサッカー化を嘆く声がほとんどだったように思う。フランスラグビーでは、この種のサッカーのような演技は恥だとされて、非常に嫌われます。

RMCラジオのコンサルタントは、公然と師匠を擁護さえしました。
「ディミトリ・ザルゼウスキはJPジュヌヴォワに頭突きをしたとして召喚されたが、私はそれには賛成しない。ジュヌヴォワはザルゼウスキを挑発し、大げさに地面に倒れた。その頭突きはバイオレントではなかった。提案しよう。トゥーロンのフッカーも挑発とシミュレーションで召喚されるべきだ。ザルゼウスキはああいったリアクションをしてはいけなかった。しかし彼の相手は、ペナルティエリアでダイブするサッカー選手のように振る舞った。規律委員会が彼に寛大であってくれればと思う」


ガウゼールレフェリーは、そのとき背を向けていて現場を見ていなかった。もし見ていたら師匠に赤、ジュヌヴォワに黄紙を出していただろう、と彼は言う。でも双方に握手を命じた判断は、結果的にはうまくおさめていたのかもしれません。
私自身は、ジュヌヴォワは遠からずフランス代表に呼ばれるだろう期待の若手HOだと思ってた。でも今回これだけ騒ぎが大きくなったことで、若いジュヌヴォワには今後"フットボーラー"という評価がつきまとうことになるかもしれないし、それを振り払うには相応の努力が要るだろうと思う。
トゥーロンは師匠に抗議の意を表明、規律委員会に召喚するための手は尽くす、と言っていたらしいけど、ムッシュ・ブジェラル、なぜあなたのクラブが嫌われるのか分かる?

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余談になりますが、フォーラムで「じゃあグルチャガのシミュレーションはどうなんだ!」とお怒りのトゥーロネもいたけれど、あれはまた違う(かなり)文化圏のヒトなので、これと一緒に論議するには若干文脈が違う。まあグルチャガは、フランスでプレーするならもっとフランスの文化を学ぶ必要があるのはホント。

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Comments

これで正式にブランとディオマンデコンビの跡継ぎが誕生しましたね。
ほほえましいかぎりです(嘘)。
きかん気な選手がいっぱいいるというのに、ザル先生まで返り咲いてもらっては困ります。嫁にしかってもらわないと。

代表の方はご安心を。
道化師殿が「31人目は師匠を呼ぶ」と表明いたしました。
規律委員会へのプレッシャーのつもりですかね?

Posted by: machvili | 2010.10.27 at 06:10

>ブランとディオマンデコンビの跡継ぎ

それはご勘弁(;´д`)
あの時は本気でちびれましたし!ザル師匠も、その道の先輩のブランがいた方が、かえって気持ちが引き締まっていたのかもしれないですね。2人ともいなくなってはいけないと…
しかしブランが組合の会長であることが、これほど心強いとは思いませんでした。

>嫁にしかってもらわないと

馬のムチで?
美人の奥さん、よく子供連れて観に来てますよね。男の子ももう物事の分かる年だろうから、父の威信的にもツラいところですね。
大きくなったでしょうか、かわいい子でしたが。

>31人目は師匠を呼ぶ

あー、リエヴルモンのこういうところはいいですねえ!牽制でしょうね、頭突きやらかしてこれだけかばわれるケースも珍しい…
むしろ今回、代表戦にかかっててラッキーだったような気がしてきました。カムーからもLNRになんか言ってくれないかな、と。軽い処分ですめばいいですねぇ。クラブ的にも。

Posted by: つき | 2010.10.27 at 18:43

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