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2010.04.10

【ラグビー】 もうひとつの"フルシェット"

かなり前に、元共同通信のカメラマンが書いた『写真のワナ』という本を薦められて読んだことがあるのだけれど、報道写真の虚実という点で興味深い本だったです。

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ハイネケンカップでの"目つぶし"疑惑で、ERCから70週間のサスペンションを言い渡されたスタッド・フランセのアトゥブが、フランス協会とリーグに対し処罰の分離を求めていた件ですが、FFRとLNRの委員で構成される懲罰委員会は結局、ERCの決定をフランス国内にも適用することを決めました。
(でもこれね、LNRの委員は処罰の分離を支持してたらしいよという噂もある。つまり糸を引いたのはFFRだと)

この決定により、アトゥブは2011年4月22日まで全コンペティションに出場停止。アトゥブとクラブは今後はCNOSFに訴えていくかまえ。
とはいってもつい先日、デュピュイの異議申し立てがCNOSFから認められなかったこともあり、アトゥブはデュピュイ同様、CNOSFに却下された場合はパリの行政裁判所に訴えることも視野に入れてます。


「このクリエイションは特に、ペルピニャンのHOチンクの処罰の分離の後で、IRBからの批判の結果である」、とrugbyrama。
先日のラパセIRB会長による牽制発言(処罰のユニバーサリティの原則を守るべきだという)はそこそこ効いたと思われます。
しかしフランス国内には今、シックスネイションズのスコットランド×イングランドの時、スコットランドHOフォードに目つぶし(らしきこと)をしたイングランドHOハートリーが召喚されなかったことに対する不信もあるのです。

ハートリーの目つぶしはいわば悪癖、というのは、彼はすでに07年にワスプスの2選手に対する同じ行為で、26週間のサスペンションを科されたことがあるから。
しかし、この試合のウェールズ人の委員は、ハートリーを規律委員会に召喚しなかったという。

試合の映像では、相手のフォードがファウルをアピールしなかったこともあって、この場面はそれほど重大には見えませんでした。ハートリーも下を向いているので、どこまで故意の行為かは分からない。でも、写真になったら印象はどうでしょう。

Scoteng

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1秒の何千分の一でしかない瞬間をとらえた、たった1枚の不明瞭な写真で厳罰を科されたアトゥブ。
今回のニュースについてのフランスのラグビーファンの反応はというとね…
レキップ読者の皆さんが記事に寄せたコメントを、先着順に取り上げてみますか。


「驚くべきスキャンダラス!」

「もしアトゥブがイギリス人だったら、せいぜい2週間の処分ってとこだろう!」

「これはまぎれもないスキャンダル!ブリタニックのラグビー支配と戦うかわりに、FFRとLNRは彼らに忠誠を尽くした!アトゥブとスタッド・フランセは、ラグビーにおける処罰のユニバーサリティと戦わなければならない。こんな馬鹿げたルールがあるのはラグビーだけだ!」

「どんな処分が出るか見たくて、次の目つぶしが待ちきれないよ…」

「ああいった行為やファウルは受け入れられないにしても、1枚の写真を大いに疑わなければならない。それはほんの一瞬の出来事しか示していないんだ。それは本当に行き過ぎで、受け入れがたい。ブリタニックやケルト人に科される処分と比較すればね」

「ハイネケンカップとシックスネイションズをボイコットすべき。そうすればまじめに受け止められるかもしれない」

「重く、むしろ厳しい処分だが、悪人は罰されなければならないし、ハイレベルのプロは模範を示さなければならない」

「僕達は、より複雑で"トリッキー"で、でも病的なまでのルールで、ラグビーはイングランドのスポーツだということを知ったよ!裁判所に訴えなければならない。この選手は生活手段を奪われたんだから!」

「この忠誠心あふれる決定は、必ず判例を作ることになるだろう。ここまでフランスの規律上の決定機関は、1枚の写真を証拠として採用しなかった。先が思いやられるよ。偽造写真が氾濫する恐れがある。そしてLe Corvecの件*1。ビデオが示した同じ行為(目つぶし)に対して40日?僕達の規律委員会は役立たずだ…」

「僕がショックなのは処分の厳しさじゃなくて、むしろ同じファウルをしたイギリス人に対する決定機関の寛大さだね」

「僕は、スタッド・フランセの選手たちは、協会やリーグから狙われていやしないかと思い始めてるよ!なるほど目つぶしは処罰に値する、でも、どうしてアトゥブ(とデュピュイ)に国内レベルでの猶予が与えられないんだ!欧州規模の処分は十分彼らの教訓になったと思うよ!」

「フランスの決定機関は、ヨーロッパカップで戦うフランスのクラブに対する報復を恐れて、罰を短縮しないんじゃないかな。チンクの事件の後、フランスのクラブがヨーロッパカップの何試合かで16対15で負けたことを思い出してみてよ」

「最悪なのは、ERCとIRBの会長がフランス人だってことさ!!! 彼らは単にフランスの選手を見せしめにしたかっただけだ。ただ彼らの職を正当化するために。それから、こういった行為がラグビーグラウンドから追放されなければならないのは本当だ。それでも、70週間のサスペンションは途方もない」


*1 シックスネイションズの最中に、リーグで結構もめてた事件。クレルモン×ペルピニャンの時、USAPのLe Corvecがクレルモンのカドモアに目つぶし。LNRの規律委員会による処分は、最終的に40日間のサスペンション。40週間じゃないスよ)

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Comments

アトゥブの事件を追い続けてくださって、ありがとうございます。
「おばかさん」のデュピュイとは違って、アトゥブの件は本当に痛ましいかぎりです。精神的にへこんでしまっていないのが不思議なくらい!

FFR&LNRのレベルでは分離請求が認められたためしはないようで、今回の決定はそのままという感じでしょうか。時間がかかるだけで無駄な気はしますが、請求は下から徐々に進めなくてはいけないらしいのです。
クラブの不調が出場停止選手2人に追う部分が少なくないので、早くいい決定が出て欲しいなと思います。ラパセの傀儡ぶりには、ほんっっとイライラしますけどね。

それにつけても、パリソンにすね蹴りを食らわせたフラヌリーが早くもハイネケンカップに出て、また危ないプレーを繰り返しているのを見ると、不条理がいや増しますです…。

Posted by: machvili | 2010.04.12 at 19:29

アトゥブのケースは冤罪の可能性が捨てきれないと思ってます。少なくとも故意かどうかは…。イングランドはIRAの爆弾テロの時も、あれだけ冤罪を出したのにね。
スタッド・フランセはハスケルたちの加入の件で、イングランドのラグビー界からマークされてるんじゃないかという気さえしてきますですよ。

これは1クラブ1選手の問題じゃなくて、もっともっと根深い気がして、このニュースを追ってます。フランスのファンも、積年の不満(レフェリングとか)が噴出してる感じですよね。
私にとってはなかなかややこしく難しい話で、どこまで正しく読めてるかが気がかりです。

チンクの時は、FFRは決定にかかわっていなかったのでしょうかね。私が読んだ記事では、LNRの名前しか出てこなかったです。

陰謀論みたいな話もアレだけど、去年のチャレンジカップ決勝(ブルゴワンが出てた)にERC会長が来なかったこととか、今思えばチンク事件の後、おかしなことはいろいろありました。あの決勝の試合は変でしたよ…。フランス人はお飾りのトップなんだろうなあ、と。
事なかれで不甲斐ないのはメディアもですが…


フラナリーまたやらかしとるのですか(;´Д`

Posted by: つき | 2010.04.13 at 01:29

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