いまさら日記寄り道 映画において自転車はいかに撮られるべきか
François Truffaut - Les Mistons (1/2)
http://jp.youtube.com/watch?v=NGb_r1ThNAs
風をはらみ、ひるがえるスカート。リズミカルにペダルを踏みながら、大通りを抜け路地を抜け、郊外の緑の中を駆け下りる速度に、新鮮な風が、うっすら汗ばんでいるであろう胸元を吹き抜け、膝下丈のギャザースカートの細くくびれたウエストの辺りで渦を巻き、めくれ上がった裾から素脚がのぞく。
少年期の淡くも鮮やかなエロティシズムを描いたフランソワ・トリュフォーの短編映画『あこがれ』。その胸のときめきが伝わるような素晴らしいオープニング。
撮影地は今年のツール・ド・フランス第13ステージのゴール地点にもなった南仏ニームで、観光名所の水道橋や、ツールの中継でも映っていた市内の円形闘技場が映画の中に出てきます。冒頭でベルナデット・ラフォンが走り抜ける街路樹の通りも、ゴールスプリントがあった通りを思い出させますね。
あのステージで優勝を勝ち取ったのは、やんちゃな弾丸小僧の鮮烈な初期衝動的スプリントだったけれど、それもまた似つかわしくもあるような。映画の原題は“Les mistons(いたずらっ子たち)”。
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