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2008.06.23

ユーロ2008ノスタルジー日記(モストボイどうしてっかな)

「疑いもなく、教会の分裂は、欧州からロシアを引き離した。欧州を揺るがした出来事に、我々は関与していない。しかしロシアにはロシアの使命があった。その広大な大地は蒙古の侵入を飲み込んだ。タタール人は西の国境を越えようとせず、やがて退いた。かくしてキリスト教文明は救われたのだ。その使命のため、ロシアは特異な在り方を強いられ、故に他のキリスト教国とは全く異なるキリスト教世界を形成した。ロシアが歴史的に無価値であるという意見、それには断固異を唱える」

アンドレイ・タルコフスキーの映画『鏡』の中で、少年が読み上げるプーシキンの手紙。05年の冬の移籍市場でセルゲイ・セマクがパリに来た時、私はサイトの記事の中でこの一節を引いたことがあるんだけれど、それは2002年のワールドカップで日本と同組だったロシアが敗退したのと同じ頃に衛星放送でこの映画をやっていて、「なんとなく示唆的だなあ」と、印象に残っていたから。もっともセマクの出身地はロシアではなくウクライナ側なんだけど。

セマクにとって不運だったのは、CLのPSGとCSKAの対戦で彼を気に入ってパリに招いた監督のハリロジッチがその直後に解任されたことで、フランスフットにもなかなかフィットできずに出場機会は多くなかったけれど、ポリバレントでタフなメンタルを持ついい選手だったし、人間的にも素晴らしかった。
ロシアに帰る前に、「僕達の道のりはヨーロッパカップでまた交わるかもしれないね。ありがとうみんな。君達のことは忘れないよ」と公式サイトにメッセージを残していった彼が、キャプテンマークを巻いてユーロを戦っているのを見るのは何かこう特別な気持ちです。

ロシアのサッカーは旧ソから独立したかつてのウクライナとは対照的に、伝統的にショートパスをきれいにつなぐ独特のスタイルを持っていたけれど(冬期は屋内での練習が主になることに関係していると聞いた記憶がある)、特有のムラがあり、日韓ワールドカップの時もそんな感じで負けていた気がします。あの当時の分裂後の混乱からロシアサッカーの状況も変わったんだろうし、ユーロ08のロシア代表は、ヒディンクの影響もあるにせよ、ひたむきでたくましい(特にフィジカルがという意味ではなく)サッカーをしていて驚いた。

ヒディンクが今回大会の直前にセマクのような選手を呼び戻した理由は何となく分かるような気がします。プールラウンドで鮮烈な印象を残した優勝候補オランダが敗退したのは非常に惜しまれるけれど、ロシアには行けるところまで頑張ってほしいと思う。個人的にはアテネ五輪のビエルサ・アルゼンチン以来のインパクト…かな。

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