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2008.03.18

 Encore en construction ─シックスネイションズ最終節 ウェールズ×フランス

086nw08年シックスネイションズは29-12でホームでフランスに勝利したウェールズのグランドスラムで幕を閉じました。「ウェールズの勝利とグランドスラムにお祝いを言う。試合の60分間フランスはとても勇敢だったが、ウェールズの素晴しいディフェンスを前にして解決策を見出せなかった。それからシェーン・ウィリアムスのカウンターが試合の転機になった」(リエヴルモン談)

優勝するには20ポイント差をつけてウェールズに勝たなければならなかったことが、フランスのゲームプランを少しばかり複雑にしていただろうことは想像できます。フランスはよく組織されたウェールズのソリッドな守備に対して攻め手がなく、ならばキックでテリトリーを、というところなんでしょうが、肝心のスクレラがワールドカップの開幕戦を思い起こす不調。ここ最近の移籍騒動で疲れていそうな彼がスタメンで大丈夫なのかな、とは思っていたんだけれど…

それでもフランスのスタッフや選手が、3位の結果に失望はしても悲観はしないというなら、それはこの代表がまだ“en construction”だからということでしょう。レキップのコンサルタントのベネゼク氏が「selection (フランス) とequipe (ウェールズ)の対戦」と言ったのは的確な表現だと思います。開幕以来新人を投入しながらメンバーを入れ替えてきたフランスと、大部分オスプリーズの選手で構成されたウェールズ。ワールドカップ以降目覚しくディフェンスを強化したウェールズにとって、最悪でも最終節までの20ポイントのリードを守ればよいという状況は試合のカードを手にしているようなものだったのではないかな。
フランスはスピーディーな展開で対抗したかったところでしょうが、「フランスはラックの球出しを遅らせればゲームが作れない」というのは既に周知の事実なのよね。

フランスは確かに成長途中のチームかもしれないけれど、難しいのは若いコーチ陣も共に成長途中だということですね。正直この大会はもっぱら個々の選手のクオリティとクラブでの積み上げでここまで来たようなものじゃないかナと思う。ともかく夏のテストマッチ・ツアーに向けて、スタッフにはディフェンスとキックのスペシャリストとフィジカルトレーナーが補強される模様です。もうちょっとのリアリズムを、ということかな。

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