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2007.12.30

 画像で振り返る2007年・4

(ラグビーワールドカップ準決勝 フランス対イングランド)

Chabaldemifinale

パーシー・モンゴメリの言うように、今回は実にドッカンドッカンよく蹴ったワールドカップだったけれど、たとえばラポルトのリアリスティックなラグビーがホントに誤りだったのかどうかは正直よく分かりません。彼らはそれをうまくやらなかったというだけの話で。フレアーとリアリズムの葛藤はフランスが延々抱えている問題らしいけれど、私が一番ナゾなのは、フランスの伝家の宝刀「シャンパンラグビー」は現在のラグビーの、たとえば筋トレで鍛え上げた選手達や進化した守備戦術といった趨勢下においても有効なんだろうか、ということで、それはひょっとしたら幻想なんじゃないのと思う時がある。大事に寝かせてるうちに酢になっちゃってるかもしれないのに。

準決勝のフランス対イングランドでは、むしろイングランドの方が展開してるんではないかい、という奇妙な逆転も生じてた…というか、突如回し始めたイングランドを見ながら、私が「マー今更」と思ったのも事実で、つまりそれは先進国が産業で有り余る富を手にした後で、声高に環境保護を主張し始める構図によく似ていた。でもそれはあくまでもジョニー・ウィルキンソンという、いるだけで脅威になりうる最終兵器を保有した上での展開で、やっぱりそれはダブルスタンダードというやつなのね。

イングランドはラグビーチームというか大英帝国軍ラグビー部隊じゃないかっていうのはあくまで私の主観だけれど、彼らのディシプリン…献身的な滅私奉公が一体何のために何に向けて行使されるのかということを考えると、それはなかなか微妙な気がする。彼らのラグビーを見ていてひとつ思い出すのは、蓮實重彦が淀川サンと映画対談した時に、アンドレイ・タルコフスキーの映画は「映画以外の何かを信じている気がする」と言ったことで、つまり私はイングランドはどこか「ラグビー以外の何かを信じている」ような気がするし、それはいささか「ラグビーに対して不誠実」に思える…彼らの問題はそこじゃないかと思うんだ。
淀川サンは「映画、映画で酔っ払おうとしている『2001年』のキューブリックの方が(タルコフスキーより)ずっと映画に対して真剣だと思う」と言うんだけど、まあフランスは葛藤してればいいじゃんと思うのね。それはラグビーのロマンティシズムじゃないかしら。

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