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2007.10.19

 勝つだけでなく

膝を痛めたトライユは結局3位決定戦を棄権することになり、足の指の怪我はどうやら大丈夫らしいマルティが代わることになりました。

イングランド戦でのフランスのどこか確信のないプレーぶりは、その前のニュージーランド戦の出来を考えればまったく不可解なものでしたが、今思うと試合開始直後、FBには不慣れなトライユがボール処理をミスってトライを許した、あれが心理面で大きかったんでないかという気もします。あの瞬間にフランスの選手の間には、漠然と(あるいはあからさまに)抱いていた戦術に対する不信感が黒雲のように広がったんではないかと。
ラポルト体制もこれでオサラバということで、大会終了後に南アフリカに旅立つミシャラクが週の半ばにあけすけにスタッフの戦術批判をして、ちょっとばかり物議をかもしました。彼は「僕達のラグビーはとてもプアだった」と断言しています。まあそのテの批判をする時はまず一人称でだね…というツッコミはおいといて、

「03年から07年の間、フランス代表は沈滞していた。僕達のプレーはいつも同じで進歩がなかった。あまりにステレオタイプで、誰もが僕達がどうプレーするかを知っている。アルゼンチンが僕達を破ったのはそのためだ。誰もが僕達のボールがラックで遅れれば自分達のプレーができないことを分かっている※。選手の間ではよくその話をしたけれど、4年間で形になったことを白紙に戻すのは難しかった」(ミシャラク談)

(※ まー確かに開幕戦のアルゼンチンはラックも含めて結構ギリギリであった。アルゼンチンフットボールは創造性あふれる足技と熱い闘志と洗練された「マリーシア」で動いているといっていいかと思いますが、競技文化は違えどアルゼンチンはアルゼンチン。潔さとか紳士性とかにこだわって見すぎると南米特有の濃い~滋味を見逃すことになるのではないかと思う。ちなみにデュソトワールはアルバセテを警戒しているようだ)

3位決定戦の前にこういう話が出るようでは、チームの意思統一という点でこの試合は難しいかナと思うけど、まあ選手がプロフェッショナルであることを祈る。ジオ・マゾはミシャラクがしゃべったことに対して、「ラグビーの精神に反する。フランス代表は30人の選手であってミシャラク1人ではない」と協調をアピールしている。実際、ドミニシを始め多くの選手のラポルトに関するコメントは、表に出ている限りでは、何だかんだ言いながらおおむね擁護的です。
ミシャラクの友人ポワトルノーの見解は、やはりミシャラク寄りかもしれない。「フレッド(ミシャラク)と僕はリスクを冒すのが好きなんだ。僕達を一緒に使うのは監督にとってはいつだってストレスさ」。たとえ3位決定戦であってもスタメン復帰で大いに意気が上がっているポワトルノーは、勢いで「ワールドカップの開幕から僕達のプレーはパッとしなかったけど、アルゼンチンのプレーだってつまらない。彼らはモールとパントを上げることしかできないじゃないか。シャンパンラグビーができるのはファン・マルティン・エルナンデスだけだ」なんてしゃべって、それがアルゼンチンのラ・ナシオンに見つかって記事になっちゃったりしたんだけどさ…

自国開催のフランスに出さなければならない結果があったことは分かるし、勝ちを意識したリアリスティックなラグビーで準決勝まで来ましたが、優勝の夢が断たれた後で、最後にフランスらしいラグビーを見てみたい気もするんだけどな。ラポルトに絶縁状を叩きつけたミシャラクだけど、グラウンドにはジョジオンもエマンスもいない。難しい試合になるだろう、でも少なくとも彼らには自分達のラグビーに葛藤するだけの理想があるのだと思う。
ピチョットは「本当に決勝でフランスと戦うのが夢だった」と言っていた。もし両チームにまだモチベーションがあって、決勝カードより素晴しい試合をしてくれたらそれでいいかなと思うのである。

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