«  シリーズ・ワールドカップを振り返る | Main |  切手は時代の鏡である »

2007.10.31

 クラブ会長の事情(2) 金と理想とフランスラグビー

Dimitrihernandez2ずいぶん間が開いてしまったけれど、メトロのマックス・グアジニ・インタビューの続きを。今回はラルジャン、お金についての話。はなはだ奇抜な戦略でラグビー人気の普及に貢献(?)しているスタッド・フランセですが、グアジニ会長自身は当初プロ化には反対の立場だった、というのはちょっと意外でした。
リーグの外国人選手に関しては、つい最近の記事で記者がセルジュ・ブランコに「外国人選手の殺到はフランスラグビーの将来を脅かすものですか?」なんて質問をしていたのを見かけたけれど、国内に漠然とそういった危機感もあるのかもしれないですね。多少言葉のきつい部分もありますが、一ラグビークラブ会長の見解としてお読みください。

Q: あなたはこのスポーツをよりグラマラスでモダンにし、観客層を広げもした。あなたはラグビー界が金まみれであることを悔やむ純粋主義者たちの懸念を分かっていますか?
「ラグビーはプロ化を望んだ。私自身はもちろんこの動きには好意的ではありませんでした。しかしいったん選択がなされたら、うまく進行中の列車に乗らなければならなかった。なぜかって?我々は選手がもっぱら彼らの仕事に専心するために彼らに金を払っている。財力が必要なのです。そうは言っても、スターは依然としてチームでなければならない。個人の成績に重きが置かれるフットボールとは反対に、ラグビーにおいては常にチームとクラブがプライオリティだった。他の14人がいなければ、どれだけ才能があろうと選手は何にもならない」

Q: ラグビー選手はまだごく普通のヤツらですか?
「ええ幸いにしてね。いずれにせよフランスの選手達は。彼らはカネのことしか考えないわけじゃない。今季、我々の補強の1人はパスカル・パペという名の選手です。ワールドカップにあたってベルナール・ラポルトから忘れられた選手の1人だった彼ですよ。本当のところ、パリに来たいと言ったのは彼です。私自身はそれほど熱心ではなかった。そして実際、私は彼が素晴しいメンタリティの持ち主であることが分かりました。このクラブに加入するために、彼はサラリーの30%減額に同意した。考えてみてください。彼はそれでも2度レ・ブルーの主将を務めたんです。イタリア代表のセルジオ・パリセは残留を選んだ。彼に大金を積んだイングランドのクラブから口説かれていたのにね」

Q: ワールドカップの後に、大勢の南半球のスター選手が大金を支払われてフランスにやってきます。不安はないですか?
「それは主に2部のいくつかのクラブにかかわることです。トゥーロンとラシン・メトロのようなね。それらのクラブはすぐにでも存在を示したいのです。これらのチームと契約したオーストラリアやニュージーランド、南アフリカの選手達は、スポーツのプランのためにそこに行くのではない。彼らの多くはもう若くはない。彼らにやる気を起こさせているのは金の力です。スタッド・フランセでは、それは決して我々のやり方ではありません。まず我々には財力がない。それに、いつかフランス代表入りするような若手に賭ける方がいい。私はこの方針で動いている。我々のリーグで輝かしくキャリアを終えたがっている外国のスター選手には関心がないのです」

|

«  シリーズ・ワールドカップを振り返る | Main |  切手は時代の鏡である »

Comments

なるほど・・。
前回のコメントで天使降臨の話をしましたが、ちょうどその辺りの過去ログでグアジニのインタビューがあったのでそちらも拝読させていただきました。
ラグビー界の中では非常に革命的な人ですよね。
日本のラグビー界にはこんな人いません。

最近フランスのラグビー事情がなんとなく分かってきたのですが、これまでのフランス南西部が中心となっていたラグビー人気をパリでも爆発?させたのがグアジニ率いるスタッドフランセだと考えて宜しいでしょうか?

今回のW杯の成功も一般の人々の目をラグビーに向けさせたスタッドフランセの功績によるところが間接的かもしれませんがかなり大きかったのではと感じます。

1995年のプロ化以前のアマチュアリズム全盛だったラグビー界の姿を多少なりとも知っている私にとってはスタッドフランセのスタイルが非常にフットボール的に見える(メディア映えするという意味で)のです。
これは悪い意味で言っているのではなく、今までコアなファンに対してでしかアピールする術を持っていなかった(特に日本の)ラグビー界にとっては非常に参考になるのではと思います。

飛ばし過ぎ感もありますがチームも強いしイケメン揃いなので、せっかくならこのまま・・いや、さらに突っ走って頂きたいと思います。(つきさんも昨年10月では天使降臨もアリだとおっしゃっていましたね・・笑)

Posted by: シャベル | 2007.11.01 at 23:53

おっしゃるとおり、グアジニも以前「これまで南西部中心だったラグビーをフランス全域に広めたい」というようなことを話してた記憶があります。もっとも彼は確かマルセイユの出身なので、それはそれでちょっとフクザツな気もする事実なんですが…。というのは、南部は首都に対する敵愾心が非常に強いんです。パリ・サンジェルマンとオランピック・マルセイユのダービーはもう殺伐としててスゴイですよ。

スタッド・フランセの一連のプロモーションでいいところは、広告代理店に丸投げ的なものではない、ということじゃないかと思います。インタビューを読む限り、グアジニはハデな戦略の裏にアマチュア的な理想も残している人物のようですよね。
Jリーグ発足以来サッカーは国民的な人気スポーツになりましたが、急激なバブルの弊害というか、反省すべき点も多かったと思います。長期的なしっかりとしたプランのもとでラグビーの発展が進んでくれたらと思います。

>つきさんも昨年10月では天使降臨もアリだとおっしゃっていましたね

ハイ~。私はよく「アリエネー」「ひどい」「くだらない」といった言葉を誉め言葉に使うんですヨ。スタッド・フランセのイメージ戦略はある種のポップ・カルチャーに近いところがありますが、それはグアジニが以前FMラジオ局の幹部だったことにも関係してるのかもしれません。悪趣味すれすれだけど、そういう「ハズし方」って好きなんですよねー。

Posted by: つき | 2007.11.02 at 16:36

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



«  シリーズ・ワールドカップを振り返る | Main |  切手は時代の鏡である »