«  ミシャラク南半球へ | Main |  スクレラという名のSO(1) »

2007.02.13

 Together standing tall

Portland2アイルランドという国は好きで音楽などもよく聴きますが、気に入ってるアルバムの1枚がコレ。ボシー・バンドのメンバーだったマイケル・オドンネル(ギター)とケヴィン・バーク(フィドル)の81年のアルバムです。トラディショナル・ミュージックは泥臭くて、という方にもオススメの哀愁のサウンド。
それにしてもアイルランドのアンセムはいつ聴いてもいいですネ。シックスネイションズの試合前の独特な雰囲気…まあ、良くも悪しくも長きにわたって血で血を洗ってきたヨーロッパの民族の歴史の重みというかね…

Kevin Burke&Micheal O'domhnaill  “Portland”


さて、ランズダウンロードが09年まで改修中につき、ダブリンのゲーリックスポーツの聖地、クローク・パークで初の開催となったラグビーの一戦、シックスネイションズのアイルランド対フランス。ドラマティックな勝利をおさめたのはアウェイのフランスでした。

試験モードのフランスのスタメンは1列にマルコネ、2列にパペ、3列にアリノルドキが入り、ハーフバックは引き続きミニョーニ、スクレラ。BKには怪我のフリッツに代わってマルティ、そして昨年夏のスプリングボクス戦で2トライを挙げたクレールが入りました。
一方のアイルランドは主力中の主力、オドリスコルとストリンガーを欠く苦しい布陣です。

試合の入り方はほぼパーフェクトだったフランス。「マルコネ君の最多キャップを勝利で飾るお」というゴツい男のアツい連帯かどうかは知らないがとにかく強気のFWと、快調♪に展開するBK。スクレラの2PGとイバネス主将のトライで15分までに3-13とリードします。
しかしそこは女心とフランス代表。ジャガイモ飢饉をも耐えぬいた不屈のアイリッシュ魂との対決がこのまま終わるはずがないことは、素人のワタクシでも予想がつこうというものです。

案の定ジワジワと盛り返すアイルランド。24分にオガーラのPG、そして32分にはそのオガーラ自らトライを決めて、コンバージョンは失敗したけど2点差に詰めます(11-13)。一方のフランスは前半の終わりにPGを2本続けて外し、再び引き離すチャンスを逃します。
「大歓声を送っていたスタンドが、PGの時にはシンと静まりかえるんだ」とスクレラ。スタッド・ドゥ・フランスで8万人クラスの大観衆には慣れているはずのスクレラをして、クローク・パークの熱気は異様なものだった模様です。

Essaiフランス的にはなんとなくイヤーなムードで迎えた後半は、81,572人の大声援を受けたアイルランドが押せ押せ。しかしフランスのコンパクトなディフェンスを前に、最後の決め手を欠きます。というか両者とも勝負どころでポロポロこぼしたり滑ったりで、前半同様スコアは意外と動きません。

57分、またもこの日大車輪のオガーラのPGでアイルランドがついに逆転に成功します(14-13)。ちっちゃい相棒はいないがオガーラさんは頑張る。フランスはスクレラに代わったボクシスの「困った時の飛び道具」、しかし74分のボクシスのDGは惜しくもポスト。
そしてそのすぐ後、アイルランドがラインアウトからゴリゴリモールを押しこみます。私が「後半60分にやる気満々のスザルゼヴスキが入ってくることの意味」を噛みしめているうちに、フランスがたまらずペナルティ。オガーラのPGが決まった時には正直オワタと思いました。
このとき時計はすでに77分。ブリュノと交代してベンチに下がっていたイバネスは、スタンドのありさまを「地震のようだった」と語ります。しかし今回勝負をあきらめなかったのはフランスの方。最後に大どんでん返しが待っていた。

油断した中継がオガーラのリプレイをやってるうちに、リスタートから一気にフランスのチャンス、最後の猛攻。そして長いパスを受けた可愛いクレールがアイルランドディフェンスをスルスルとかわし、あれよあれよという間にインゴールにグラウンディングして、土壇場で試合をひっくり返す。アイルランドのPGのわずか1分後のことでした。今度は9,000人のフランスサポーターによる「ジャンプしないヤツはフランス人じゃない」の番です。

個人的にフランスのウィングには、「タッチライン際の狐」とでもいうようなイメージがあるんですけど、彼もそんな感じかな。ともあれ、前半のイバネスのトライにもからんでいい仕事をしたクレール。ドミニシ、エマンス、ルージュリーとのウィング3枠をめぐる競争はますますアツくなりそう。
試合はボクシスがコンバージョンをキッチリ決め、残り数十秒は当然ながらフランスが鬼キープ。ミニョーニがボールを蹴り出したところでノーサイド。17-20。
疲レター。


【気になる人たち】
たぶんこの日グラウンドで一番ガタイがよかったのはニュージーランドのレフェリーだと思う

Ref

アイルランド代表チームで1人ゴスな空気をかもし出すニール・ベストさん(右)

Best

ナショナル・アンセムの時瞳孔開いててまじ怖かったス

Best2

|

«  ミシャラク南半球へ | Main |  スクレラという名のSO(1) »

Comments

いや~、どんでん返しでしたね!シロウト目線でスイマセンが、愉しんでおりまする。ご教授有難うございます。

>74分のボクシスのDG
「飛び道具」だったんですか。ポストを叩いた時は、W杯のウィルキンソンはコレで勝ったのに、フランスは「ああこれが決まってれば!」なんて事になるのかなァと思ったのですが。でも結果的にはコレがあったからこそ、だったのかな。

ウチの解説者は「アイルランドが我慢できずに攻めてしまった」と言ってました。フランス、強いなー。イングランド(ウィルキンソンはガチ認定)との対戦が見ものです。って、あのイングランドが勝っては申し訳ない気も。

アイルランドのアンセム、思わずyoutubeでじっくりアンセムだけ聞いてしまいました。イイですよねー。コブシの効いた歌いっぷりがまた。
個人的にはウェールズの野武士っぷりにハマった。アダム&ダンカン・ジョーンズには、メルヘンを感じます。

>ニュージーランドのレフェリー
そうそう!同じ事思ってた・・。しかも妙にナイスガイwww

Posted by: minaco. | 2007.02.15 at 00:59

>74分のボクシスのDG
あの軌道、あのバウンド。ぶつけちゃったけど何となく「“映画的”に正しい」と思っちゃった。まあ、キッカーがヒーローになるような試合展開はなるべく避けなきゃいかんなァ、と思うのです。

>コブシの効いた歌いっぷりがまた
アイルランドのは、たなごころで転がすようなコブシですよね。フィドルの奏法と同じで。あれが民族の息遣いなんだろうな、と思ったりします。本当のところベルカントが異常な唱法なんですよね。
共和国国歌の方のSoldier's Songは歌詞もアレ(Saxon foe)だし、クローク・パークのイングランド戦ではやるのかな…試合のいろんな意味合いを考えると。

>アダム&ダンカン・ジョーンズには、メルヘンを感じます。
あー、ドワーフ?
ニュージーランドの審判はいろんな意味でフリスクを思い出しましたよ。

Posted by: つき | 2007.02.15 at 23:08

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91018/13898754

Listed below are links to weblogs that reference  Together standing tall:

«  ミシャラク南半球へ | Main |  スクレラという名のSO(1) »