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2006.11.28

ラグビーテストマッチ フランス対アルゼンチン

Domipumas4何よりまず、ドミニシがこのアルゼンチン戦の2トライで、フランス代表最多トライをマーク(21トライ)したそうで、オメ!
オールブラックスとの不本意な1戦目の後で「僕は恥ずかしい」と言い、2戦目はベンチに下げられたドミニシですが、アルゼンチン戦でスタメンに戻るというニュースを、レキップは「ドミニシは永遠」というタイトルの特集記事で伝えました。彼はほんとに愛されてる選手なんですなあ。
ドミニシの話を聞くと、2戦目でラポルトが彼をベンチに下げたのは単なる“ターンオーバー”などではなかったみたいだけど、彼自身は「出来が悪ければ処罰を受けるのは当然だ」と、それを受け入れたらしい。ベンチにいるのは決していい気分じゃないけど、ラーラグやデュソトワールみたいに、自分よりもっと気の毒な選手(クラブに帰されてしまった)もいる。競争に耐え何かをもたらさなければならない、高いレベルにいるというのはそういうことなんだよ、と彼は言っています。
代表の青いマイヨを来て多くの経験をして、苦しい時もあったけれど、それでもドミニシはいつも“そこ”にいる。


Domipumasさて、27-26というぎりぎりなスコアで終わった試合の方は、いい時間帯も悪い時間帯もある、いつもの「2つの顔」を持つフランスだったようです。
プレッシャーなのか何なのか、試合の入り方はかんばしくなかったフランス。いきなりアルゼンチンFWに押されてピンチ。9分にはラックでのファウルでペナルティを取られ、アルゼンチンが先制します(0-3)。最初の15分間苦しんだフランスは、ドミニシのトライで息を吹き返します。こういう現金なとこはさすがフランス。16分、トライユからパスを受けたドミニシはアルゼンチンのディフェンスをきれいに抜きさってトライ。コンバージョンも成功。(7-3)
20分にアルゼンチンのPG、23分にはフランスのPG(10-6)。流れはフランス優勢で、25分にはエロルガが一気に突破してゴールラインに迫り、ライン手前2メートルのラックから、ヤシュヴィリが出したトリッキーなパスをうまく受けたフリッツがコーナーにトライ(17-6)。内に外に、フェイントもアリのヤシュヴィリのパス出しは見ててオモシロイ。37分には怪我のトデスキーニに代わったアルゼンチンのコンテポミがPGを成功させ、3ポイントを返して、17-9で折り返します。

後半に入っても流れはフランス。45分、アルゼンチンボールのスクラムをフランスが仕掛けてマイボールにし、ヴェルムランからドミニシにつないで独走、2つ目のトライ。50分にはヤシュヴィリがPGを決めて一時は27-9と引き離します。しかしアルゼンチンは諦めなかった。
56分には、この日絶好調かと思われたヤシュヴィリが2つ目のPG失敗。代表戦でのキックの精度に関しては、なんとなくいつも「ビアリッツでとは違って(あまり正確でない)」と書かれているような気がするヤシュヴィリですが、この日は最終的に3つ外して、ある意味、いい波と悪い波が交互に来るこの試合のフランス代表の一貫性のないイメージを象徴していたようです。

このあたりからアルゼンチンは集中を取り戻し、61分にアルゼンチンFWがスクラムを押し込んで、抜け出したロンゴがフランスの2人がかりのタックルをものともせずトライ。選手に疲れが見えたと踏んだであろうラポルトは、満を持して62分にマルコネとスザルゼヴスキを投入します。が、5分もたたないうちに、スザルゼヴスキがハイタックルで膝をひねって担架で退場。(検査の結果、膝の骨を損傷して重傷らしく、1ヶ月以上の離脱になるかもしれない。ああ~…。前半に同じく負傷でベッツェンと交代したレミー・マルタンも、親指を脱臼して5週間のアウト。こんなとこまで仲よくてどうするのヨ…)

Jmartinスザルゼヴスキの負傷で、やむをえずイバネスがグラウンドに戻ります。その直後にアルゼンチンのPG。さらに73分にエルナンデスのトライで1点差にまで詰められます。が、フランスは最後7分間のアルゼンチンの猛攻をどうにかこうにか防ぎきり、かろうじて27-26でノーサイド。最近の連敗を4でストップしました。(ブエノスアイレスで3敗、その後マルセイユのベロドロームで1敗)
何があろうと絶対諦めないのがアルゼンチン、逆に言えばここで諦めたらアルゼンチンじゃない。ふと思い出すのは、今年のシックスネイションズのフランス対アイルランド@スタッド・ドゥ・フランスのことです。ホームで大量リードして「ヨッシャーこのままいける」と思っちゃったであろうフランス代表が、終盤に不屈のアイリッシュ魂の猛反撃をくらうという一戦でしたが、あの時も今回も、まがりなりにもとりあえず勝つあたりは、まあ、評価する…。ラポルトは、“mi-figue-mi-raisin”(いいんだか悪いんだかワカンネ)だって。

最近まで協会の特別手当未払いに抗議してストライキを起こしたりしていたLos Pumasですが、この秋のテストマッチは彼らにとって単なる試合ではなく、世界に自分達の存在を認めさせるためにとても重要な試合だったと思われます。彼らは「自分達がアルゼンチンラグビーの歴史を作る」という意識でプレーしている。これは強い。
国家的アイデンティティの求心力という点では、フランス代表はアルゼンチン代表ほどではないかもしれませんが、弟さんを亡くしたドゥヴィリエのために戦った夏のテストマッチ・スプリングボクス戦はむっちゃくちゃ強かった。まあ愛国心も出方によっては良かれ悪しかれで、個人的にはフランス代表のメランジュ(混合)で気まぐれなところもまた魅力だと思う。フランスフット代表のリリアン・テュラム(彼はグアドループの出身でバンリュー育ち)が誰よりも大きい声で歌う、あの調子っぱずれのラ・マルセイエーズを聞いていると、笑いながらもいろんなことを考えさせられてしまいますね。


フランス代表主将・イバネス選手
「ちょっと変な気分だね。アルゼンチンは最後の20分間我々を猛攻撃したが、全体としてはフランスが試合を支配した」

フランス代表No.8・ヴェルムラン選手(秋のテストマッチで大活躍)
「本当のところ試合の終盤はあせってたわけじゃない。何よりちょっと疲れていたんだ。幸いラインアウトでうまくボールを奪うことができて、セルジュ(ベッツェン)がDGをブロックした。フランス代表はソリッドなところを見せたし、今後に希望が持てるよ。あと9ヶ月、まだやるべきことはたくさんある」

アルゼンチン代表主将・ピチョット選手
「もうくたくただよ。すごく激しい試合だった。当然みんな、負けたことにはちょっとがっかりしてる。僕達はミスを犯しすぎたけれど、最後の20分間は試合をひっくり返した。ロッカールームで言ったように、僕は自分のチームが本当に誇らしい。シックスネイションズかトライネイションズかって?今議論するには及ばない。でもラグビー界は今後、アルゼンチン代表の境遇について検討すべきだと思う」

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