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2006.04.01

 つきペディア: ディミトリ・スザルゼヴスキー

ディミトリ・スザルゼヴスキー(Dimitri Szarzewski)は現在パリの名門ラグビークラブ、スタッド・フランセに所属するフランス代表選手。ポジションはフッカー。1983年1月26日生、ナルボンヌ出身のポーランド系フランス人。180cm102kg。

ベジエ在籍時の04年夏、代表の北米テストマッチツアーに招集され、カナダ戦(7月10日)で初キャップ。翌05年夏には南半球でのツアーで、オーストラリア戦(7月2日)にスタメン出場、期待の新星として注目された。


【スタッド・フランセ移籍】
04-05シーズンの終わりに、育ったクラブであるベジエがProD2に降格。ワールドカップを2年後にひかえて代表に定着したいスザルゼヴスキーは、スタッド・フランセへの移籍を希望。
「僕の頭の中でははっきりしてる。パリかベジエかじゃなくて、パリなんだ。他にもいくつかコンタクトはあったけれど、僕がプレーしたいのはスタッド・フランセだ。僕はあのクラブに行きたい。あそこのチームが好きだし、スタッド・フランセはトゥールーズとともに、タイトルを獲りたいなら行かなきゃいけないところなんだから」

スザルゼヴスキーとベジエはあと1シーズンの契約があり、代わりのフッカーが見つかるまでは彼を手放したくないベジエ側と、クラブが降格した場合には移籍を認めると幹部と約束したと主張するスザルゼヴスキー側の話し合いはもつれるが、結局05-06シーズンも始まった9月16日、選手側が50%違約金を支払うという条件でベジエは契約の解除を認め、スザルゼヴスキーはスタッド・フランセと4年契約を交わした。

「ポジションを獲得するのは難しいだろう。競争は健全だと思うよ。いずれにせよ進歩できる。僕とニヤンガ(ベジエのチームメイトで、トゥールーズに移籍)にとっては、すべてがあっという間だ。僕個人としては、距離を置いて考える時間がなかった。家族のおかげで、僕は同じ年頃の若い選手よりしっかりしているかもしれない。僕は他の選手達より成熟が早かったんだ」


【ビッグマッチ、トゥールーズ戦】
スタッド・フランセに移籍して2週間、フィジカルコンディションは完全ではなかったものの(「ポテンシャルの60~70%というところかな(笑)」)、9月30日のカストル戦(25-10で勝利)で初のスタメン出場。いきなり48分に移籍後初トライを挙げる。

9節トゥールーズ戦は10月15日、スタッド・ドゥ・フランスで開催された。このビッグマッチで、スザルゼヴスキーは28分にファーストトライを挙げた。自陣でボールを奪取した後、約80メートルの素晴らしいトライ。ウィングのように全力疾走し、ピチョットが一瞬引き継ぎ、それから再びスザルゼヴスキーがトライを挙げにいった。スタッド・フランセは29-15でトゥールーズに勝利。以下インタビュー。

Q: スタッド・ドゥ・フランスの8万人の観客の前で、君のチームのファーストトライを挙げる。君はそれを夢見ていた?
「素晴らしいムードだよ、もちろん。スタンドはチームカラーの青一色で、8万人のサポーターがチームを応援する。なんて嬉しいんだろう、まだ信じられない、まだ鳥肌が立ってるよ。この震えは何なんだ!夢が現実になった。それに、ウォーミングアップ中のカラオケやチアガール。僕がいるのはベジエのスタッド・ドゥ・ラ・メディテラネじゃないんだ。それからすっかり頭を切り替えて、試合に入ることもできないといけないね」

Q: 君のトライについて話してくれる?
「穴が見えて、それが開いた。僕はボールを拾って、“ピック・アンド・ゴー”をした。振り切ったけど、サポートが足りないのが分かったから、様子をみた。ピチョットが僕のところに来ているのが見えて、彼はすぐボールを僕に戻し、それから僕がトライに行った…そこから先はよく覚えてない…」

Q: あのトライは、君のチームにとって決定的に見えたよ。
「決定的だったかは、僕には分からないな。何より、チームは完璧に試合に入って、いいゲームをしたと思う。前に出て、試合を制し、ボールポゼッションを握った。あのトライは1つの結果でしかないよ」


【“deux frères”、スザルゼヴスキーとニヤンガ】
今も代表のチームメイトであるヤニック・ニヤンガとは、兄弟のように深い友情で結ばれている。リセ・ジャン=ムーランのポール・エスポワールでデビューしてから、共にベジエを離れるまで、彼らはずっと一緒だった。一緒に生活していたこともある。
トゥールーズ戦では、スザルゼヴスキーが交代で下がった10分後にニヤンガが入り、両者の対戦はすれ違いになった。
「対戦相手としてニヤンガと顔を合わせるなんて、何だか変な感じだったよ。特にこんな試合では」


【05年秋のテストマッチ】
代表の秋のテストマッチの間、ラポルト監督は若手や代表経験の少ない選手にチャンスを与えようと試みた。10月末、ラポルトが発表した対オーストラリア戦(11月5日)のスターティングメンバーの中に、スザルゼヴスキーの名前もあった。

「持てる力を尽くさなければならない。典型的な例がスザルゼヴスキーだ。彼はよく働いて進歩した」とラポルト。代表のスタッフは、フィジカルテストの結果がチームで一番だったスザルゼヴスキーのコンディションとリーグでの好調を評価。フロントファイブにスピードとパワーをもたらすことを期待した。
フランス代表はこのオーストラリア戦に26-16で勝利。そして11月26日の南アフリカ戦では、スザルゼヴスキーは開始早々の3分に、ニヤンガからボールを受けて代表での初トライを挙げ、チームを軌道に乗せた(試合は26-20で勝利)。以下レキップのインタビュー。

Q: ディミトリ、君は1年で順位表の下位の無名選手からフランス代表、そして今はスタッド・フランセの一員としてタイトルレースを戦っている。自分に起きていることがちゃんと分かっている?

「もちろん分かってるよ。そのとおり、僕に起きていることはどれもトレ・ビアン。でも、のぼせ上がっちゃいけない、明日のことなど分からないんだ。一気に駆け上がることはできる、けど、落ちるのだってあっという間だ。だから、いつでも自分を見つめ直す必要があるんだよ。僕はよく働いてきた。フィジカルの面でも、戦術的にも。その努力が実ったんだと思うよ。でも、僕は決して満足しないタイプの人間で、いつでもより以上を目指してる。今のところはこのやり方でうまくいってる。だからこんなふうに続けて、道を開いていくつもりだよ」

Q: 君は土曜に、再度オーストラリアと対戦する。この試合にどう取り組む?

「何より、最後に勝利を挙げられればと思う。僕はブリスベーンで負けたことを忘れてないし、みんなそれぞれに雪辱を期している。でもオーストリアも、苦しかったトライネイションズの後で雪辱を期す思いは同じだ。彼らは何としても、自分達のレベルに戻ったことを証明しようとするだろう」

Q: ドゥヴィリエ、ミルー、そして君で構成されるフランスのファーストラインはまったく初の試みだ。君はどんな準備をしている?

「まず何より、このファーストラインが不慣れなのは当然だよ。僕は代表チームに来たばかりで、あんまり代表経験はないんだ!オーストラリアみたいなチームと対戦する時には、もちろん不安はある。でも、それを活かしてさらにいいプレーをし、試合に打ち込むことも可能なんだ」

Q: 君はフランスラグビーの新たなアイドルに見える。そのことでどんな影響がある?

「確かに自分のことが話題にされるのは嬉しいものだよね。たとえ僕が、自分の話があまり好きじゃないとしてもね!でももういっぺん言うけど、僕は頂点に到達したわけじゃないし、すべてはいい方にも悪い方にもにもたちまち転ぶかもしれないことも分かってる。だから、そういうことは一切気にかけないようにして、一生懸命働き続けるよ」

Q: 期待のプレッシャーは重過ぎない?

「明らかにプレッシャーはあるけど、他の多くの選手だってそれは同じ。でもね、不安があって当たり前だし、できるだけ競争力を備えているように、プレッシャーを利用してみるつもりだ。自分のやるべきことは分かってる。できるだけよくやることをやるように努めて、あとのことはなるようになる」

Q: 君はこの何ヶ月かでステージを越えた。そして今は、フィジカルテストのおかげで、代表のスタッフから模範として挙げられている。代表で認められるために、いいカードを手にしていることを意識している?

「努力して結果が出て、代表監督から誉めてもらえれば、それは確かに嬉しいことだね。さらにモチベーションが上がって、もっともっとトレーニングに励みたいという気になると思うよ。だから、僕はこんな考え方でやっていく。考えをしっかり持ってね」

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