やっぱり怪童
時間があれば時々、今日はクラウチの高さでも堪能してみようかとリバプールの試合を観ます。彼はジョナサン・ボロフスキーの立体作品※“優しい巨人”に似ている。(※ 原題The Friendly Giant。この作品はばかでかいんだけど、透明なビニールの梱包材、いわゆるプチプチでできていて、重量感とか実在感が薄い。うずくまった人型がモーターで動いてアートを主張しますが、人によっては廃物と見るかもしれない)。あるいはジャコメッティか。
しかし個人的に、最近取り返しのつかない勢いで高さからボリューム方面に志向がシフトしています。
結局表記は「スザルゼヴスキー」で決まりなのかどうか(画像)。立ち姿は充実のmasseであります。スクラムで1番3番と組む時のはちきれそうな腕がイイ。
Jスポーツでは、未放映分も含めたシックスネイションズ全試合を一挙放映中です。チンチンにされた初戦の対スコットランドを今更観るのも順番的にはどんなものかという話なんですが、この際贅沢は言えない。スザルゼヴスキは「最初の20分間チームは本当に苦しかったしその代償は高かった、あんなに多くのボールを簡単に失っていては勝てない」みたいなことを言ってたけど…
(ノ∀`)
スザルゼヴスキが交代で下がる場面、まあああいった場面はいつ目にしても痛々しいものだけど、彼はこの試合が終わった後できちんと取材に答えてチームの敗戦処理をやって、若いのにエライと思いました。この交代のシーンがあるから、怪我から復帰してきたイングランド戦で、イバニエス先輩の鼓舞に迎えられてフィールドに戻ってくる映像が意味を持つわけですね。やっぱりライブで観たかった。
「スザルゼヴスキはまだ若く、チャンスは必ずある」「パリのフェノメノはまだ向上しなければならないが、彼は将来の2番だ」、フランスのメディアはそんなふうに言ってました。彼は経験から学ぶことができるだろう。フェノメノ、確かにあれは異形の系譜…
今季のシックスネイションズを観れば、どこのチームもそう安定した強さは見せていませんが、フランス代表が優勝したとはいっても、あの内容では当然本国の批評は辛め。「フランス代表には‘2つの顔’がある」というやつです。
チームは依然としてフィジカル戦に依存しすぎていて、イングランド戦のようにフィジカルで優位に立てれば、相手を圧倒して勝つ。しかし優位に立てなければ、スコットランド戦のようにプレッシャーを受けて負けるか、ウェールズ戦でのようにまぐれに頼るしかない。で、ワールドカップの準決勝を戦った後で、一週間で2度目の決勝の試合に勝つ体力は取り戻せるのか─というようなことを言ってるらしい。そういうものなんでしょうか。しかしそれを言い出したら。
内容的にはアレでしたが、各ポジションのタレントの個性、ベテランの味、若手の溌剌。その気まぐれなところも含めて好きなチームでした。なんというか独特だよね。これでフランス代表の面々とはしばしのお別れ。寂しい。
私が初めて海外ラグビーを意識して見たのは、03年のワールドカップです。フランス敗退の時のガルティエのインタビューを覚えてます。それからずっとブランクがあって、昨年末にまた少し興味が復活して(南アフリカ戦を録画しておけばよかったよ…)、このシックスネイションズで完璧にハマりました。
そんなシロウトの自分ですが、フットボールよりさらに「チームのスポーツである」という意識が強い(ような気がする)ところは気に入りました。そして何より、少なくともここにはまだ、フットボールには無いもの、あるいはフットボールが無くしてしまったものがあるのではないかと私は期待しているのです。


Recent Comments