6月の最後の週
すべては夏に始まる。
夏は降りてゆくことのできる底辺とよりかかることのできる支柱を持っていて、
人は郷愁から遠ざかる推進機を新たに作動することができる。
ひとつの愛が、ひとつの作品が、夏に始まる。
ぼくは6月の最後の週の狂気が好きだ。
ぼくの映像は夏の灼熱からゆっくりと生まれ出てくる。
-ベルナール・フォコン Bernard Faucon 「飛ぶ紙」
ベルナール・フォコンの写真集を、毎年この季節になると何となく取り出してみる。マネキン人形を配して撮影された写真は、彼の少年期のパーソナルな記憶に基づくものでもあり、同時にもうちょっと普遍的な記憶の本質に連なっている。夏の記憶が、あらゆる記憶の中で最も鮮やかなのはなぜだろう。フォコンの写真の正方形の中に溢れる光線とその既視感に少しくらくらしながら、そんなことを考えた。
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