知的じゃないスポーツ
野心家の仏内相ニコラ・サルコジ氏が最近の訪中時、「相撲は知的なスポーツではない」等々、日本文化に否定的な発言をした、というニュースがありました。
原文記事は読んでいませんが、親日家のシラク大統領に対する皮肉を込めた「政治的発言」だろうということで、メディアが「日本批判」と色めき立つような、さしたる内容のある発言ではないのだけれど、結果的に最近の相撲界に対する的確な批評にはなっています。ただ、相撲はスポーツであると同時に、伝統的に神事という儀式なわけで、儀式はシンプルに「形」を磨きぬいたもので、インテリジェントな神事なんて聞いたことない。
サルコジ内相といえば、先日PSGのグラィユ会長が、リヨン戦でパリサポーターが警官に怪我をさせた件で呼ばれて怒られたばかり。治安問題への取り組みで評価が高く、大統領選出馬も視野に入れているというサルコジ内相ならさもありなんというところ。
かつての仏文化相アンドレ・マルローは来日中に、「インド彫刻はコスモス(宇宙)に、日本美術はナテュール(自然)に相通じる」等、日本文化を鋭く洞察した言葉の数々を残したけれど、この報道で見る限り、サルコジさんの日本文化評は、残念ながらあんまり「知的」じゃないな。
パリのクラブのファンなどしていますが、私は日本の文化には結構誇りを持っていて、(確かに日本社会の現状は誉められたものではないかもしれないけど)、最終的にはそれが自分の拠り所だという考え方です。日記のページに歌川国芳や伊藤若冲の絵をちょっとだけ拝借しているのも、その辺のバランス感覚といったもの。
日本人が常にそうであったように、私も外国の新奇なものはミーハー的に好き。日本の文化は中国を始め外国の文化に刺激を受け、取り込みながら、その風土の中で極めて独自の美的価値を生み出してきたわけです。例えば、隣国の名もない陶工の雑器の中に無上の精神的な美を見出す、そういう美意識。その点ではフランス人も共通した感覚がある気がします。
異文化に対する差別や傲慢は、多くは無知に基づくものだと思う。アンドレ・マルローはフランス文化の代弁者であると同時に異文化の理解者で、そういうスタンスが取れたら理想的だろうな、と思うのだけど。






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